荒川河川敷でホームレス生活をはじめたひきこもりの元へ、ついにジャーナリストが訪れる。
プラネタリウムはきらい。
元ジャーナリストのクリボーはなぜかひきこもりに懐く。しかし、出会いがあれば別れがあり、ついにあのタイ人は……
編者による異言――序に代えて
愛するものについて、人は常に語りそこなう。ぼくはMとの出会いについて、ゆっくりと語り始める。
ひきこもりはそれまで一度も働いたことがなかったが、ついに仕事につこうとリヤカーをひきはじめる。
やがて、ひきこもりは書こうと思う。ついに、あのひきこもりが。北千住の河川敷で繰り広げられた社交劇、ついにフィナーレ。
若いころ僕は早く結婚したいと思っていた 家庭を持ってる男って何かカッコイイって、守るモノがあるって何かカッコイイって、思ってたからだ でも今の僕は… 守るモノなんていらないし、守りたくない …そ…
Mの家庭教師として過ごす「ぼく」にとって当時の記憶は圧倒的な色彩を帯びている。
美しい時代を過ぎて社会人になった「私」ははじめて勤めた会社で天才プログラマーの幹と出会う。
無職になった「私」は恋人の家に転がり込み、同居生活を始める。すぐに職が見つかるでもなく、無為に時間を過ごしていたのだが……
世界はゼロじゃない。ぼくらはゼロだ。なにもない。なにもできない。持っていない。
会社に行くのをやめた。もっと早くこうすればよかった。
会社に行った。ぼくはすぐに部屋を空けなければならないと知った。もらえる金もないことがわかった。
はじめての。独りでできた。無人でできた。もう大丈夫だ。
先行きは不透明。水槽も不透明。心も不透明。
相変わらず仕事の見つからない「私」は、無為のまま旧友のメグに会いに行く。彼女はタクシーの中で言う。「プチンってやっちゃうんだって。脳の一部をプチンと。そうすると、ネズミが人間らしくなるんだよ。怖…
部屋を探さないとならない。今すぐに