「家族」と向き合う血の通った連作短編集。彼女を妊娠させた少年、かすがいとしての子供、ヒーローに憧れる女。三者三様の壊れかけた「家族」の物語が今、描かれる――。ほのぼの1%の抑圧と暴力のホームドラ…
日本列島を襲った未曽有の大災害と前後して、出自によってヒエラルキーがつくられた。皇統と同じY染色体ハプログループを持つものは「皇別」、皇統と祖を同じくするハプログループを持つものは「神別」、それ…
〈マグダラのマリア〉は作者にとって重要なテーマのひとつであり、その逸話を下敷きにして2020年を生きる風俗嬢を描いた表題作の他、この激動の時代にぜひとも読んでいただきたい短編を集めました。生活や…
毎晩、眠る前になると決まって聞こえてくる銃声ーー。 夫婦生活への漠然とした不安が謎の銃声にオーバーラップする「私」の心情のゆらぎを描く『銃声』を始め、超人気インスタグラマーを娘に持つ男がインタ…
長編作品『ハートシェイプトボックス』の新装版 「テレビの小説講座を見て涙滂沱の医師たち。いっぽう僕はレモンみたいな酸っぱい月を夢見る。売店にあるものを混ぜて密造酒を作ろう! 尚、この説明文は病…
中年作家である「私」は、大学で小説講座を持っていながら、もう何年も小説が書けないでいた。書けずに呻吟する毎日。そうしたうちに妻が家を出て行ってしまう。掴んだと思った途端にこぼれる言葉とその先にあ…
「現代人に必要なのは縄文人のこころ」とというキャッチフレーズで、社会に浸透する「縄文スタイル」。暗躍する団体の正体は。ナカヨシとイサカイの二人が、過去を精算すべく、団体の謎を解く。どこかで聞いた…
独立した3本の短編を「横たわる女」というテーマで一冊にまとめました。 内容は以下の通り。 「ベシャメルソースを私にかけて」:NYのダコタハウスで暮らす俳優夫妻の話。 「入歯タリアン」:…
まだ暗い静かな2時から3時、4時のあたりに筆者は起床することからこのタイトルはついた。つまり植物より早く活動を始める早朝学。 読書していて、ふと、家族から離れてどこかに行った時と同じ気分になる…
うつから抜け、個別塾の塾長として生計を立て始めた「俺」。アルコール依存症で自傷癖のある男子生徒や、教師に恋する不登校の女子生徒、発達障害を持った男子生徒たちに振り回され、次第にうつが再発し……。…