言葉を研ぎ澄まし、響きと余白で心を揺さぶる詩の数々。定型詩、自由詩、散文詩の他、短歌や俳句など、さまざまな表現が並びます。
草を駈け 靉靆の雲に一筋の青い切れ目 山嶽は厳かに視る 平原は在り 唖々、平原は在り!
揺らぐ輪郭のまま生きていく 不確かで美しい心の断片 歌集の第一章です
生ぬるい微風が不器用にめくる 静謐な狂気と透き通った絶望
鳴り響くピアノの音 意識が潰える 不協和音で踊れ
瓦解の念 これ以上もこれ以下も存在しない
闇夜にひかる、ひとつのひかり 希望が、絶望か
——喪の黒と、まだ乾ききらない相聞。 往きと復りしかないバスに乗って、彼は生から一度だけ出て、また戻ってくる。
本日、海面と羊水面の、見分けがつかなくなった。 以下は、その前線を読む者たちの通報である。
拍手が止んだあと、灰かぶりはどこへ帰るのか。 舞台の袖、誰の視線も届かない楽屋裏で、童話は一枚のカルテに化ける。 靴に足が嵌るとは、幸福ではない。同定である。 寸法の合う検体として値踏…
ほんのりかおるように 書きました これはうたです
どうしようもない苦しみから 抜け出そうとすればするほど 沈みゆく
おもちゃ箱の中で 私たちが 抗うべき存在
完璧に守られたものほど、 ほんとうの死に方を知らない。 糖度を測られ、傷を消され、 腐ることすら許されなかった彼女へ。 これは、無菌の世界に発生した たったひとつの弔い。 …
上ばかり見て生きてきた「おまえ」——つまり、わたし——への、林床からの呼びかけである。膝を折り、掌を土につけたとき、はじめて見えてくる光がある。可視化されないことの尊厳がある。踏まれてなお灯すこ…
ダダイズムに挑戦してみました。 【参考図書】戦前不敬発言大全(高井ホアン、パブリブ)
神がねむつてゐた、その夜の過失から、ひとつの心臟だけが止め忘れられた。止まらぬ鼓動は祝福ではない。赦されぬ誤作動として、日々を打ちつづける。これは、眠れる神を起こさぬまま、ひとつの胸が差し出す冷…
生まれなかったもの、名を持たなかったもの、触れることのできなかった愛。 その不在に、そっとひとつの文字を与えるようにして、この詩を綴った。 虚数 𝒾 と古い仮名「ヰ」とがひそかに重なりあう場…
燃やされたもののあとに降る灰を、われわれはいつから「花」と呼ぶやうになつたのか。祈りと讃美の身振りが破壊そのものを美へ変へてしまふとき、この國の空には桜ではなく、灰華がしんしんと降り積もる。
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