ディビジョン/ゼロ(7)

ディビジョン/ゼロ(第7話)

波野發作

小説

1,127文字

部屋を探さないとならない。今すぐに

〈7〉

 

テレビが急につまらくなったので、パソコンを開いた。

そろそろ部屋を探さなければならない。

仕事はないのだから手続きの時間はあるのだし、大丈夫だろう。

 

この間は金の心配があったから、安い部屋ばかり探していた。

しかし、もう当座の資金は大丈夫なのだから、住みたいところに住めばいい。

やはり都心の方がいいだろう。

 

かといって港区や品川区は高すぎる。

安い物件というものが存在しない。

新宿区か板橋区、豊島区あたりがいいだろうか。

 

いや、いっそ西の方の中野区や世田谷区の方がいいかもしれない。

どんな仕事にありつけるかわからないのだから、東の方にしておくか。

路線で選ぶという方法がいいのかもしれない。

 

ぼくは、地図上からの検索をやめて、路線検索に切り替えた。

やはりJRの駅の方が便利なのだろうか。

いままで家と職場の往復しかしていなかったから、どうも駅名ではピンと来ない。

 

よく行く大きな駅は高い。駅歩15分の越えるぐらいじゃないと借りれそうな家賃にはならない。

聞いたことのない駅だと、そこそこの家賃の物件がいくつかある。

ただ、どれも古い。古いか、狭いか、遠いかのどれかだ。

 

秋葉原から徒歩10分のところによさそうな物件があった。

ワンルームと書いてある。

間取り図がない。住所はわからないが、地図上に所在地が示されていた。

 

ストリートビューで外観を出してみる。

上が見えないので、2階建てか3階建てかはっきりしないが、ビルのような建物ではない。

一般家庭のような玄関の脇に、大量のポストが備え付けられていた。

 

どうも安いなと思ったら、これはシェアハウスのようだ。

この社宅ではろくなことはなかった。共同生活には向いていないのだ。

シェアハウスだけは絶対にやめようと思う。却下だ。

 

あまり都心だと古い部屋ばかりになってしまうようだ。

少し通勤に時間がかかっても、郊外にしておいた方が広い部屋に住めそうだ。

都内でも県境ギリギリあたりを狙ってみようか。

 

そういえば、家賃は月収の3分の1ぐらいにするのがいいと、不動産情報誌に出ていた。

逆に言うと家賃の3倍を稼がないとならないということだ。

元の会社の給料だと、都心には住めない。社宅でよかった。

 

やはり、家賃は抑えめにしておくことにした。固定費は少ないに越したことはない。

都心から40分以内の駅まで、駅歩10分という条件で調べ直した。

何件か候補が見つかった。明日にでも不動産屋に行ってみよう。

 

 

2015年7月30日公開

作品集『ディビジョン/ゼロ』第7話 (全10話)

© 2015 波野發作

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