さて、第二回のテーマは「実際に作品を書き、それにたいしてクロスレビューを行う」というものであった。作品は以下二つが掲載され、それに関するレビューを行った。レビューの内容は「作者による作品の狙い説明」と、「読者による質問」の二点である。
兄の誇らしげな切っ先
まずは高橋文樹『兄の誇らしげな切っ先』から。
作品の狙い
- なるべく固有名詞が出ないようにした。
- 会話を書くと破綻するのではと思ったので、極力削った。
- 描写で思わぬ現代性が生まれてしまっては困るので、中立的な書き方になるよう心がけた。
読者による質問
- 大人として想定している年齢は? 中学生ぐらい
- 村の規模がよくわからなかった 100人弱ぐらいかなー よくわからん
- 父の母のうんたらという呼称がよかった それな
- 兄を襲ったのが三人は少なくないか? たしかに、たくさんいた方が面白かったかも
スモール・ドーグ
続いて、アサミ・ラムジフスキー『スモール・ドーグ』について
作品の狙い
- いつも通りのスタイルを貫き通した(自分らしさを追求)
- わからないことをわからないまま書く
- 会話を書かないようにしよう
- 縄文っぽさが出るまでを先延ばし
- 調べ物をしてはいけないという制約が難しかった
読者による質問
- キハチという名前は裏付けあり? 榎本キハチ(東京オリオンズ)
- 固有名詞がたくさん出ているのは? テーマが縄文だからあえて
- 縄文時代の話が伝わっているというツッコミどころを膨らませると面白かったかも(家系図が伝わっている理由とか)
こうしたレビューを経て、ボロボロになった心を癒すために、改良点を挙げていった。
改良点
- 調べ物はやはり必要! 物の名前がわからない。
- 奴婢とか使えない(律令制度由来だから)
- 矢ってあったの?
- 喋らせたいのだが、語彙、名前、語感についての知識が必要
- 三人称がオススメ
- 先史時代だけど日記みたいなのが残ってたとか(エセ言語設定)
- 推理小説
- 異世界転生(戦国自衛隊?)
- 縄文ラノベ(俺に妹がこんなに少ない訳がない)
- タモリの4ヶ国語麻雀みたいな感じで偽言語作るとか
- 歴史上の謎になっていることに勝手解釈(ex. 徐福伝説)
他にもいくつかあったのだが、あまりにも素晴らしいアイデアだったので、ここには書かないようにする。興味のある方は次回参加してほしい。
今後のタスク
続いて、今後のタスクについて話し合われた。やるべきことは以下の通りである。
- 先行文学作品を読む
- 2週間(最低一冊)
- Googleドキュメントにまとめる
- 役に立ったポイントを「書評」として破滅派にアップしていく
2週間だと文学フリマの準備が間に合わないので、3週間後ということにした(私の中で)。次回のワークショップの内容は近日中に発表するが、おそらく「読書してその内容を発表」になると思う。
その後、購入した書籍についてはGoogleドキュメントにまとめていくので、読んでみたい方は各自購入いただくか、来週から秋葉原に引っ越す破滅サロンまでお越しいただきたい。
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