回文といえども文章であるからには美しいモノを作りたいと願い、古文、古典、和歌、謡曲などを紐解き、なんとなく雰囲気だけは古風がものができました。ご笑覧ください。
南の島から飛んできた青年は、爽やかな笑顔を残して都会の雑踏に消えていった。 「手ぶらで帰る」ことそれは参加者にとっては最も屈辱的なことではあるが、青年は不満を口にするでもなく、笑顔で現れたとき…
文フリ東京で破滅派の方とお話ししてみたいなと思いながら、「破滅派十四号ってやつ下さい。ピンバッチ頂けるなら十三号も合わせて下さい」としか言えなかった対人恐怖症の諏訪靖彦が書いた論評である。
2019年1月合評会参加作品です。夏目漱石の『吾輩は猫である』をベースに佐川恭一氏、工藤はじめ氏そして、高橋文樹氏の作品に大変刺激を受け、執筆いたしました。佐川氏はモロゾフと共に勝手ながら登場さ…
由美子は激怒した。必ずかの邪知暴虐のT須クリニックを除かなければならぬと決意した。由美子には、美容が分からぬ。由美子はテレ旭のアナウンサーである。ほらを吹き、男と遊んで暮らしてきた。けれども、貧…
大掃除についてのポエムです。
大雪の降った夜に彼がアパートに泊まりに来た、それだけの話です。思うに女性のセックスは男性のそれより多重性多層性があって、若くても年老いてもそれは変わらない気がしています。これは何十年も前の学生の…
同級生を殺してしまった少女に手を差し伸べたのはキチガイだった。少女とキチガイが交わした約束は数百年の時を超え果たされる。
小学四年生の宮澤靖子は同級生の森本賢治と共に、クラスで飼育していたウサギを殺した犯人を捜すことになった。捜査を進めるうちに森本が犯人だと確信した靖子は、神社の境内に森本を呼び出し、森本が犯人足る…
キチガイが地球に降り立つ原因となった出来事です。
統合失調症の豊島陽一郎は電磁波攻撃を仕掛ける女子高生の行動調査を興信所に依頼する。電磁波攻撃の証拠を掴んだ豊島は女子高生に電磁波攻撃をやめるように詰め寄るが……
小難しい話の前の一休み的なスラップスティック・コメディです。
尖ったものだらけの世界 肘が突き刺さる。色んな人の尖ったものが突き刺さる。尖ったものだらけだ。電車の中ではみんないつもより尖る。 僕は周りの人に迷惑かけないように、ちゃんと丸めてある。いつも磨…
宮澤靖子の原子卵胞内に書き込まれたノデンスの非展開記憶が数百年の時を超え展開した。
進化に行き詰ったヒトは、次の階梯に進むために太陽系外に目を向けた。地球を統べる世界保健機構は知性化された可能性のある星系へ被差別民である単性生殖者を送り込むことにした。
寒川さんには狂人扱いされました。妹には早く寝ろって言われた。
宮澤靖子の原子卵胞内に非展開記憶を残したキチガイが天皇陵で寿命を迎える。
石室内に残されたヨグソフホートのもとに世界保健機構より派遣された国立感染症研究所所属医師が現れた。それはヨグソフホートにとって、およそ二百年ぶりの知性化生命体との接触であった。