ロスジェネについて語るときに僕のかたること

破滅派20号「ロスジェネの答え合わせ」応募作品

高橋文樹

対談など

9,989文字

ロスジェネど真ん中世代の四人が集まって、「はたして我々にとってロスジェネとはなんだったのか」を語る鼎談。仕事・宗教・家族など、赤裸々に語ります。

高橋文樹 まずはみなさん、それぞれの生年と現在年齢を語りましょうか。私は1979年生まれの44歳です。

諏訪真  1981年生まれの42歳です。

諏訪靖彦 1975年生まれの48歳です。

我那覇キヨ 1981年生まれの42歳です。

靖彦 皆さんど真ん中。

キヨ 確か、2005年までが就職氷河期なんですよね。私は2004年に就職でした。

高橋 いちおう厚労省が発表した狭義のロスジェネは1975年から1983年に生まれた人がですね。この人たちは就職氷河期に社会に出ています。

靖彦 私は就職氷河期初期ですね。高卒なので実際は前夜なのかもしれませんが、既に高卒の就職は厳しかったと思います。

高橋 私は留年して2003年卒なのですが、2002年の卒業年は東大仏文化で就職したのは23人中4人でしたね。

真  私は二浪一留年なので、ギリギリ抜けたという世代です。2006年が新卒。

キヨ 「就活は苦労するのが当たり前」みたいな空気はすごくて、特に女子はめちゃ大変そうでしたね。明らかに優秀な人でもなかなかとってもらえなくて。

真  東大卒でも就職率が20パーセント程度ですか。都内の某家電量販店が早慶の学生に対して5次面接という話は聞いたことがあります。

高橋 その年に新卒を募集していなかった企業として、みずほとか、ホンダとか、錚々たる企業があったような気がしますね。企業名はうろ覚えですが、そういう企業が新卒を募集してなかった。

キヨ 仏文科が就職へのやる気少なかったとか、その辺ありませんか?(笑)さすがに低すぎるように感じます。

高橋 いや、そんなことはないですね。私の先輩が友人に「今日、すき屋に落ちた!」という件名のメールを送っていて、爆笑した覚えがあります。

キヨ えええ。そっか。めちゃ厳しいですね。

真  東大でその状況ですから、他の大学については推して知るべしですね。東大の理系の就職率はどうだったでしょうか?

高橋 東大の文学部だと、メディア系以外はわりと負け組的な空気があったんですが、メーカー・飲食でも普通に落ちる状況でした。理系は就職の固い大学院修士に進む人が多かったですが、それはそれで厳しかったでしょうね。

キヨ 私の卒業大学は日東駒専で、就職時期は2004年ですが、文芸サークルの男子で就職が決まらなかったのは二人でした。これは当時IT系は激務だけど仕事あるらしいぜ、みたいな話からそっちに舵切ったのが多いというところもありそうですが。

高橋 はい。なので、僕の一個下は現役で就職する人が多かったです。空気感も変わっていて、「仕事選んでらんないな」という空気が強くなったのと、採用状況が上向いたいのが関係しているかと。2005年には明確に採用が上向いたという報道もありました。

キヨ 「メディア系以外は負け組」という空気すごいな。2003年の阿鼻叫喚がみんなの意識を変えたんですね。

靖彦 私は高卒なのでちょっと状況が違いますが、弟が4歳下の日東駒専の大卒で。縁故採用が強いと言っていたのを覚えています。実際弟も縁故で就職しました。

高橋 そもそもみなさんの初めての就職、つまり社会に出た仕事はなんだったのですか? 私は小説家として食っていくという野望のもと、新卒で就職をせず、警備員のアルバイトをしていたのですが。

キヨ 私はIT企業です。2004年当時は、未経験でもSEを採用していましたね。内定後にプログラム何勉強しとけばいいか聞いたら「研修とガッツで覚えれるから学生のうちは遊んどけ」みたいな感じでした。

真  IT業界に新卒で入って、以降ずっとITです。ただ、2009年に実家の都合で一度岡山に戻ったのですが、当時おり悪くリーマンショックでして……。地元のブラック企業にすりつぶされ2011年に一度リタイヤしましたが、2013年から復帰しました。ちなみに、大学は田舎の私大(日本一悪名が高いところ)の情報科学なので、大学進学から既にITに進むことを決めていました。

靖彦 私は深夜のコンビニバイトです。風俗街だったのでソープランドのお姉さんたちと仲良くなりました。

キヨ バイトでお客さんと仲良くなるのって結構すごいスキルだと思うので、今度そのあたり教えてください。

靖彦 暇なときはバックヤードに入れておしゃべりしてました。今度お話ししますね(笑)

高橋 半数がITですね。そもそも、僕が大学生の頃はIT企業というのは視界に入っておらず、2005年ぐらいにヤフーBBADSLでインターネット接続を提供するプロバイダを配るバイトをした頃に「なんかソフトバンクきてるな」という印象でした。

真  90年代の終わり頃に、ワールド・ビジネスサテライトを観るのが趣味でして、当時ぐらいからしょっちゅうIT企業の話が出ていたり、書店に行ってもIT革命絡みが棚で特集してたというのも。

キヨ 友人の友人がヤフーBB配るバイトで偉くなって就職せずバイトリーダールートをたどっていたのを聞いたことあります。

この作品の続きは外部にて読むことができます。

2023年11月5日公開

© 2023 高橋文樹

これはの応募作品です。
他の作品ともどもレビューお願いします。

この作品のタグ

著者

この作者の他の作品

この作者の人気作

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

"ロスジェネについて語るときに僕のかたること"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る