祖母がケアハウスに入所したと知らせを受け、地元に帰ると実家を伯母が訪ねていた。三十路を超えても結婚していない「わたし」だが、伯母はずっと独り身である。興味本位で伯母の恋バナを聞こうと話を振るが、…
亡くなった祖父が生前最後に選んだ旅行先は米国ニューヨークだった。特攻隊にも志願した彼がなぜ敵国だった米国を旅行先に選んだのか。語り手は病床の祖母にその理由を尋ねる。知られざる祖父の想い。
切れた電灯を取り換えるために向かった家電量販店で切れたはずの電灯が不思議な光を放つ。店員はその秘密について語り始める。
嵐の夜の灯台守は鯨が空を飛ぶのを見た。幻想的な光景を方言を用いて表現した掌編。
写真:アビラの城壁 BFC3幻の2回戦応募作。
破滅派を体現した、現代日本に生けるビートニク、和製ニール・キャサディ=山谷感人に捧ぐ。
BFC3落選作。死者の日を描いた掌編です。
イグBFC2参加作品。締切間際の攻防です。
関東大震災直後の朝鮮人虐殺を怒りの詩で表現した萩原朔太郎。ドイツにおけるホロコーストの歴史と食卓の上の名産ワイン。百年の時を経て、歴史と現在を繋ぐゆるやかな思考の先。
鳴門海峡の渦を見ながら渦巻く思考はどこまでも回り続ける。筋のない話の極北に挑んだ意欲作。
≪ヴィテブスクの冬の夜≫マルク・シャガール(1947年、45x59.2cm、油彩キャンバス、所蔵:神奈川ポーラ美術館) 3月合評会応募作。二度にわたる核戦争で地球は壊滅的な放射能汚染に侵された…
子悪魔を見つけた子どもがその世話をする話。それは眠れぬ夜の悪い夢なのか、幼い彼には分からない。
『黙示録』:中世期タペストリー 魔法使い見習のアンドレは魔法学校の実習で巨大なドラゴンと遭遇する。
講談師に憧れて上京したマミと、高校の親友だったミサト。初舞台を踏むマミを観てミサトは何者にもなりきれていない、受験に臨む自分の状況に焦る。青春の日々を講談を交えて語った実験的掌編。
《桜図》菊池容斎、弘化4年 (1847)泉屋博古館分館蔵 岡山に伝わる温羅伝説と備中松山城のアイドル猫城主、それに古事記を組み合わせたファンタジーです。
大津絵/『女虚無僧』 ニュースタンダードがスタンダードになったら書けないお話を書きました。