オン・ザ・ロード

応募作品

松尾模糊

エセー

7,499文字

破滅派を体現した、現代日本に生けるビートニク、和製ニール・キャサディ=山谷感人に捧ぐ。

山谷感人氏が執筆活動を引退するという。破滅派の同人の一人として大変残念に思う。彼と面識はないが、最古参の伝説的人物として主宰の高橋文樹氏に度々その逸話を聞き及び、勝手に親近感を抱いていた。それは、彼がわたしと同郷である長崎出身で、現在も長崎に在住しているということも関係しているだろう。わたしは二〇二〇年に刊行された同人誌『失われたアレを求めて』に「まやかしと祝祭」という掌編を寄稿している。これは主人公が恋仲となる芥田川之介あくたかわのすけがカルト宗教にハマって自滅した後、彼の隠し子の存在を知った主人公の太宰龍治だざいりゅうじがカルト宗教からその子を取り戻すという芥川と太宰をネタにBLモノの話だ。驚くべきことに、山谷氏の亡くなった友人が太宰の『人間失格』の登場人物の名を名乗っているほどの太宰好きで、山谷氏も彼から影響を受けて太宰に心酔していったというのだ。わたしは今作を書いた一年後に、そのことを偶然知り、彼とリンクする部分が大いにあったことを再度思い知らされた。事実は小説より、とはよく言ったものだ。

わたしは彼と面識はないと言ったが、一度だけ、彼がわたしの作品にコメントを残したことがある(オンライン文芸の良いところはこういうところだと思う)。「逆光」という、BFC2(ブンゲイファイトクラブ第二回 ※西崎憲氏が主宰する、オンラインでアマプロ入り混じった原稿用紙六枚以内の文芸作品で勝敗を決する大会)の落選作品だ。主人公が影に人生を乗っ取られるという、いま考えれば凡庸な怪奇ものなのだが、山谷氏は――この筆者は多分、映像関係等に造詣が深いのであろう。冒頭から飽きさせないように読者を引き込む。うん、読み手を引き込。だが然し、ラストのお些末感など鑑みると、テレビジョンでビアを呑みながら二時間サスペンスを観ていた方がマシだなあ、とも思った。無論、ハナシの展開は、秀逸。――というコメントを寄せた。

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2021年10月31日公開

© 2021 松尾模糊

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