破滅派では現在、様々な人が参加すると同時に、盛んに破滅派と言う枠を超えて活動する同人も多い。以前、2019年前半における破滅派の活躍について特集したが、今回は2020年を目前にした後半期の活躍についてまとめて紹介したい。
7月
・佐川恭一が歌舞伎町文学賞特別賞を受賞
佐川恭一が「THE LAST SONG」で歌舞伎町文学賞特別賞を受賞した。紆余曲折と様々なトラブルを経ての受賞であった。
8月
・阿佐ヶ谷ロフトAで髙井ホアン(Juan.B)が著書イベント開催
髙井ホアン(Juan.B)が5月に出版した『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』の出版を記念するイベントが、阿佐ヶ谷ロフトAで8月15日に開催された。この光景についてはFujiki氏によりルポされているので参照して欲しい。以後もJuan.Bは様々なイベントを開催していくこととなる。
・佐川恭一が第二回阿波しらさぎ文学賞大賞を受賞
佐川恭一が、『踊る阿呆』により第二回阿波しらさぎ文学賞大賞を受賞した。佐川恭一の文学が広く認められた瞬間となり、そしてこれ以後も様々な活躍の場を得ている。文学誌で日常的に佐川恭一の名前を目にする日も遠くないだろう。
9月
・佐川恭一『踊る阿呆』がNHKラジオ第一で朗読
前月に第二回阿波しらさぎ文学賞大賞を受賞した佐川恭一『踊る阿呆』であるが、何の考えでそうなったのか、9月23日にNHKラジオ第一で朗読された。
10月
・牧野楠葉の小説「あの娘」がRagazineに掲載
破滅派同人の海外進出も順調に続いていた。
・髙井ホアン(Juan.B)が、変革のための総合誌『情況』に記事を掲載
変革のための総合誌『情況』に、髙井ホアンによる『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』執筆の経緯を紹介する記事が掲載された。歴史ある総合誌に関われたことは大きな経験となっただろう。
・髙井ホアン(Juan.B)が、即位礼正殿の儀の日にイベント開催
世間が即位云々で騒いでいた10月22日まさにその日、髙井ホアンはイベントバーエデン本店で『戦前不敬発言大全』出版記念バーを開催した。ここでは様々な謀議が行われ、日本の治安に深刻な影響を及ぼしたような気がしなくもない。ともかく楽しいイベントとなった。
・朝日新聞系書評サイト「好書好日」に髙井ホアンインタビュー記事掲載
様々な人の助けにより、「好書好日」にインタビューを掲載してもらうことが出来た。和田靜香氏始め関係者に感謝したい。
11月
・NovelJamに髙井ホアンが参加
NovelJam'[dash]に髙井ホアンが参加し、チームEヨの一員として活動した。以前から、破滅派出身と言える参加者が毎回参加していたが、主催に周った波野發作を別とすると今回は髙井ホアン単独となった。本開催後もグランプリへ向け約一か月半の熾烈な戦いが続き、そして……。
・小説すばる11月号に佐川恭一「花火大会撲滅作戦」が掲載
佐川恭一の「花火大会撲滅作戦」が小説すばる11月号に掲載された。確かに火遊びは危険だが、撲滅する程のことだろうか?
・高橋文樹「とどめの一滴」が英語で朗読
以前英訳された高橋文樹の小説「とどめの一滴」が英語で朗読された。まだまだ様々な表現方法がありそうだ。
・髙井ホアン(Juan.B)が、阿佐ヶ谷ロフトAで「不敬発言バー」を開催
11月26日に阿佐ヶ谷ロフトAで髙井ホアンにより「不敬発言バー」が開催された。波野發作氏も客として訪れ、終始和やかな雰囲気でイベントを開催することが出来た。
・第29回文学フリマ東京に破滅派が参戦
今回の文学フリマ東京にも破滅派は参加した。特集は「東京オリンピック新競技」。今回も様々な快作が飛び出した。また、NovelJamもブースとして初参加している。
・高橋文樹の小説「若者のすべて」がLIT Magazineに掲載
まだまだ破滅派の海外進出は止まらない。LIT Magazineに高橋文樹の小説が掲載された。
12月
・加藤陽子教授が髙井ホアン『戦前不敬発言大全』を今年の三冊に選ぶ
◇加藤陽子さん
❶院政 天皇と上皇の日本史(本郷恵子著・講談社現代新書)
❷くわしすぎる教育勅語(高橋陽一著・太郎次郎社エディタス)
❸戦前不敬発言大全(髙井ホアン著・合同会社パブリブ)https://t.co/lXysY3k8qB— 毎日新聞書評面「今週の本棚」「読書日記」 (@mainichi_books) December 9, 2019
加藤陽子教授が12月8日付の毎日新聞朝刊で『戦前不敬発言大全』を取り上げた。紙の大手新聞に大全が載るのは恐らくこれが始めてである。
・髙井ホアン(Juan.B)が名古屋で「不敬発言バー」開催
エデン本店、阿佐ヶ谷ロフトAに続き、名古屋でも不敬発言バーが開催された。日本各地に不敬の輪が広がることを願って止まない。また、招聘してくれた店主一家に感謝したい。
・高橋文樹の小説『オートマティック クリミナル』が雑誌「BRUTUS」で紹介
BRUTUSの特集に、高橋文樹の小説「オートマティック・クリミナル」が取りあげられた。全国の読者に高橋文樹の小説ははどう映るのだろうか。
・NovelJamグランプリが開催 髙井ホアンは和氣正幸賞を受賞
NovelJamのアワードが開催され、髙井ホアンはチームEヨの一員として和氣正幸賞を、また文フリ特務隊として特別賞を受賞した。とても貴重な機会となった。
・佐川恭一ナイトが大阪で開催
佐川恭一の作品について語るイベント、「佐川恭一☆Night」が大阪の書店toi booksで開催され、Fujikiがルポを行った。佐川の横顔どころか正面に迫るこのイベントルポを是非読んで頂きたい。来年の活躍にも乞うご期待である。
以上、2019年後半における破滅派の活躍の軌跡を紹介した。来年以降も、破滅派と同人の活躍に期待である。実際、様々なイベントが控えている。そしてまた、破滅派はいつでも同人の参加を待っている。偶然の出会い、知人による紹介、(Juan.Bの様に)規制と放浪の末の漂着など、様々な人々が様々な形で参加でき、そして積極的な意義を担えるのが破滅派である。後ろ向きのまま前に進め!
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