「お母さんの服、勝手に盗っちゃだめなんだよ」 と言うと偽者の母は手話で「ありがとう」と言った。 読み切り掌編作品。
暗い夜道。白線。馬の顔の壁。いつからかずっと走り続けている。読み切り掌編作品。
またまたThemeです。『革命』という題の詩の試作なのか、あるいは革命自体を試作するのか。ポエトリーリーディングを意識して書きました。特に響きを。
誰もが触れて飴色に溶けた手摺りや背もたれに、 いうことの利かない脚のもどかしさや悲しさの反対めいた、 ほとんどの人々の前に用意された健常の世界があるの。掌編作品。
闘いませんから 病気になりませんから 自分で自分を 盗りませんから
やっぱりお薬手帳より預金通帳のほうがモテるんだなんて
掌編作品。合評会2019年11月・お題「銃」の「不」参加作品です。 訳あって本合評会のレビューをする余裕がないのと、毎度のことながら当日参加できないのが申し訳ないので、「不」参加作品です。 …
読み切り掌編作品。子供の頃考えていた結婚について、大人の自分がふと思い出したことを書いてみました。
読み切り掌編。 読書していて読み終える頃ふと、家族から離れてどこかに行った時と同じ気分になることがある。 その行き先で家族のことを振り返ることや、そこに家族の知らない私があるということ(話し…
掌編作品。合評会2020年1月・お題「普通」の「不」参加作品です。 わけあって本合評会のレビューをする余裕がないのと、毎度のことながら当日参加できないのが申し訳ないので、不参加作品です。
〈またモミの木に大鏡を立てて欲しいのです〉 それを聞いて音楽教師は息を吐いた「誰かお亡くなりに?」 「ええ。向こうの丘の方にすむ爺さんがね」 音楽教師のある夜の話。 短編作品。
一 お前はその日の朝、腰に貼った一ヶ月前の湿布薬が半分以上も剥がれかけているのを見つけて悪態をついた夢をみて目が覚めた。 「ええい、チクショウ」 起きてすぐに、その言い方が誰かにそっくりだったの…
「治療」 Hospitality(歓待)とHostility(敵意)が僕を同時に襲うので 僕はHostage(人質)にでもされた気分だよ でも気球ほどの巨大な僕の目が上空から僕らを…
誰もいないうちに砂浜へ出て、僕は僕の考えのなかで多くのことを溺死させてから、太陽に祈る。太陽を鳴らすには、そんなに強く叩く必要はないが、あなたが見るすべての幽霊達、彼らがそうであるように、僕は…
(僕のプロフィルの隣に置いてほしい文章) 大多数の病気の「作り方」を知っている世界にとって、今、あたかも与えられているように見えて奪われてしまったものは、おそらく暴力性である。あたかも与えら…
俳優で僕の親友だったHへ。友人のなかで誰のことから書こうかと思ったが、誰の話をするのもやめようと思う。でも君の話はするかもしれない。僕は僕の話をテレビの小説講座でも参考にして、ここはひとつ、小…
人類が病気と初めて向き合ったのが「水」。雄大に地球を循環するこの「水」からできるだけ多くの恵みを得るため、人類は巨大な水のアレルギーに対してどう向き合い、それをどう克服していったのか、人は知る…
暴力に走る前、病気は必ず何らかのサインを発しています。 日常の忙しさに追われ、つい病気だけで食事をさせたり、話しかけられても生返事では、病気が送っているサインを見落としてしまいます。 …