Theme(革命の試作)

多宇加世詩集(第14話)

多宇加世

897文字

またまたThemeです。『革命』という題の詩の試作なのか、あるいは革命自体を試作するのか。ポエトリーリーディングを意識して書きました。特に響きを。

始まりと終わりのジンクス。ヤニ混じりのニードフル・シングス。映像を使った啓蒙の嘘だったんだ、多分。ニューメイカー八〇〇〇〇〇ルーメンのマッチ棒。あっちとこっちを照らすと影はどこにできるの。僕にはそこが見えないんだ、はじめから――。いざ行かんとしたのは下位互換のアンドロイドばかりで。ラストのあたりでお決まりの包囲網で。身に纏った化学繊維はもうボロボロで。そこで毛じらみがくしゃみして終わり――。そんな俯瞰した街の映画。夢見心地エンドロールはじっこにヒッチコックの影コックローチ。最後の子供ももう死んでしまって。歌を唄うのは恥を知らぬ大人たちばかりで、足早はるか遠くに消え去ったわずかな甘味料、汁を吸った虫らの高笑いは出来高ノルマ制、先月あたりから今朝仮眠をとるまで、うしろめたい気持ちなくして避難所で待ち伏せ、やがてレンガ持って殴り合う、純粋性ドッグタグ。冷凍映像プロジェクタのスクリーン代わり陶製脳持つマネキン反対方向に関節曲げれば骨折、血は出ない。そんなふう他人から情報貰う者ばかりになってシンプル。信ずる者も死ぬインク臭嗅ぎながら心中あと絶たない。人類メガホン人類ルーペが増幅するすべて。その前に革命の試作。みんな忘れているけれど失策モデルは一昨年と同じやつ。再現させたいのは大人の見る夢。そして僕らの歌が死んだのはその年で都心で伏して二度と起き上がれなかった。歌というのは僕らの子供の名でも友の名でもなく、なんの比喩でもなくてメロディに死の乗ったあの歌のこと。僕らの子供つったって僕らがまだ子供だし。昨日送った曲が今朝、頭に届かない。夜を越えられなくなったあの歌のこと。歌は死んだ。歌はそれまで元気だった。そして代替そんな冷凍保存歌を唄うのは大人たちばかりで、それは僕らの純粋さを脅かす。カレンダー代わりの僕らの爪でお互いにつけた跡は、検閲を突破できる。検問で気づかれない。短い鉛筆の芯をその爪で削り、響かなくなった歌の代わりに僕らこうして死だけを書く。朝に届く死もあれば、夜を越えられない死もある。死だってそうなんだから、歌だってどんなふうに死んでいったか、あなただってわかるだろう?

2019年10月15日公開

作品集『多宇加世詩集』第14話 (全18話)

© 2019 多宇加世

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