朝は焼く

多宇加世詩集(第10話)

多宇加世

482文字

朝に思いを馳せることが怖くないと言ったら嘘になるが、前よりはできるようになった。

朝は焼く

白煙を昇らせながら

無限の遺骨を

 

消える!

誰かが誰かを見つめたあとで

白目を剥いて 泡を吹き 唇は青く

 

この世に縋りながらも

ベッドに縛りつけられ

重力に押さえつけられながら

食事と排便

もうそれしかできなくなっても

 

朝は生かす

その者も含めて

朝は晒す

夜半の死を 照らす

 

朝早く

うまれる光と善と

昨夜から生き残った

悪とを区別せず

同等に愛すること

 

悪徳に裏切られても

それがなんだというのだ

私は朝

目覚めることができるのだから

 

一つ言っておく

目覚めた時 それが朝である

深夜に起きる者たち

それも朝である

朝は待っている

君らを

照らす時が来るのを

その時刻がたとえ夜だと人から嘲笑われても

 

朝は焼く

次の朝のために

みずからを

焼く

 

日付が変わった瞬間

新しい導火線はまだ幼い朝に結ばれる

 

酔っ払いたちの

立小便や

吐瀉物をよけながら

導火線はこの町でも どの町でも

自然着火する

 

そして朝に引火して

朝は朝を焼く

 

ナパーム弾を知らぬ私が

朝の焼かれる予感の音で

目覚める

牛乳でなく

ドデカミンを飲む

 

2019年9月15日公開

作品集『多宇加世詩集』第10話 (全17話)

© 2019 多宇加世

読み終えたらレビューしてください

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

この機能は廃止予定です。

タグ

この投稿にはまだ誰もタグをつけていません。ぜひ最初のタグをつけてください!

タグをつける

タグ付け機能は会員限定です。ログインまたは新規登録をしてください。

作者がつけたタグ

自由詩

"朝は焼く"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る