メロンといえばお見舞い、お見舞いといえばメロンだ、という点から出発して自由連想式にアイディアを書き連ねました。内容は、盲腸を切除したOLの山蓬彩乃が回復を待って入院している五日間の話です。短編で…
ナオミの経営するスナック、『エトランジェ』には今日も様々な客が訪れる。借金取り、大工、売れない映画監督、女装癖のサラリーマン――場末で繰り広げられる複雑な人間模様。 破滅派文藝新人賞の応募規約を…
戦国の動乱も終焉を迎え、戦場を失った武功派たちの存在は、もはや前時代の遺物に過ぎなかった。生涯五十七の戦場を駆け巡り、かすり傷ひとつ負うことのなかった無創の英雄『本多忠勝』も、背骨の曲がった老翁…
田舎を離れ、ひとり東京で暮らす主人公のナカ。彼が送る、ひたすらに堕落した毎日。その中で彼が感じることとは? 生きることに初めて正面から筆者が向き合った作品。
愛する夫と離別した女の独白に、時の虚(うろ)が密かに顔を覗かせる。年若き著者が物した作品は軽々と時空を超えてみせる。第一回破滅派文藝新人賞の選考会を大いに賑わせた佳作。
人は、人にどれほどまでに「やさしく」できるのだろうか。1本のクレーム電話から物語ははじまる
適当なクラシック音楽を二つ以上混ぜ合わせることで生まれるカオス。その中で、「俺」とミツコ、そしてマナブが考え続ける。そして伝統的な踊り「マニョモンチェ」とは。
幼少時、豚にお尻を半分喰われてしまったスター、ノブミを中心とした、ちょっと温かいハートフル・ストーリー。
普段の私に仮託した主人公の架空な業務の一日です。ただ、ただ、時間の経過が高速に流れるように感じていただければ嬉しいです。
――俺は神を産むのだ。曇天雷天のみ発症する便秘男は二条城を徘徊していた。この男の便秘とは一体何であったのか。異常性について考える。
とうとう目的の手紙を読むことになった、真理子。そこに書かれていた内容とは……。渾身の最終回。
生きた証を残そう――青春真っ只中の「俺」とリョースケとショーヘイ。スプレー缶を握った彼らが夜の公園に刻む、スィートソング。
美しく奇妙な母親のいる恋人の実家を再び訪れることになった真理子。恋人に聞いた母親の秘密を探るべく、台所に足を踏み入れてみると……。