朝日新聞デジタルのインタビュー「封じられた反戦、響く庶民の声 記録もとに出版したライターの思い」では髙井のまとめた二冊の大著『戦前反戦発言大全』『戦前不敬発言大全』の成立の経緯を明らかにするとともに、ウクライナ戦争の継続する現在に思うことなどを紹介。

 そんな思いを2冊の本にも込め、前書きには「『特高警察』的なものが現代にも引き続き存在していることだけは忘れないようにしよう」と記した。

夏といえば海・祭・戦争である。日本にとって忘れるべきでない敗戦の季節が訪れるたび、第二次世界大戦がどれほど非人道的だったかを思い返す人も多いだろう。しかし、終戦からもうすぐ80年、当時を知る人々の生の証言も入りづらくなっている。まだ高校生だった髙井少年も、インターネットでの書き込みをきっかけに戦争批判の落書きなどがあったことを知り、不敬・反戦発言の収集を始めた。文献を渉猟することでしか掘り起こせなくなりつつある戦争の負の記憶を伝えていくのは、若い世代の仕事である。

本書をまだ手にしていない読者がいたら、これを機会に手に取ってみてはいかがだろうか。