第五回阿波しらさぎ文学賞の受賞作が16日発表され、小川真我「火取虫」が大賞を受賞した。

「第五回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」は、徳島新聞社と徳島文学協会が主催する文学賞であり、最終選考委員を芥川賞作家の吉村萬壱や小山田浩子らが勤めることなどでも話題となっていた。また、第二回の大賞は、破滅派同人の佐川恭一が受賞している。応募作品の条件は、未発表の小説で、徳島の文化・地名・歴史等を盛り込むことが条件となっており、これを機に徳島に取材に行く作家も存在する。今回は全国および海外から470件の応募があり、最終選考では19作が通過していた。

選考結果は8月16日に徳島新聞紙上で発表され、大賞は小川真我の「火取虫」に送られた。また、徳島県内在住者と徳島出身者を対象にした徳島新聞賞は鎌田航の「眺め」と、うっかりの「湿り」が選ばれた。25歳以下が対象となっている徳島文学協会賞は、今回は該当作なしとされた。

今回、大賞を受賞した小川真我は東京在住の25歳男性。大賞受賞作の「火取虫」は、恋人の故郷である徳島に一緒に帰った際に遭遇する、徳島での数々の幻想や怪異をテーマとした小説となっている。

今回の受賞作である「火取虫」と最終選考委員4人の審査評は8月26日付、「眺め」は27日付、「湿り」は28日付の徳島新聞と徳島新聞電子版でそれぞれ紹介されることとなっている。受賞者それぞれの今後の活躍に期待したい。