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プルーストが読みきれない あるいは中年男性がビジネスケアラーになるための心構えについて 高橋文樹(著)

二〇二五年問題という言葉が存在し、その二〇二五年が到来した。何が問題かというと、日本で最大の人口ボリュームを誇る団塊世代が後期高齢者になるのである。この問題はさまざまに存在するが、その一つとして「働き盛り世代の親が要介護予備軍になる」というビジネスケアラー問題がある。私は二〇一九年から二〇二三年の終わりまで、母の介護をした。私の年齢はビジネスケアラー予備軍の少し下なのだが、流行をさきどる形で同時代的困難に直面したので、その経験をシェアしたい。とりわけ、「働き盛りの中年男性で子育て世帯」という人々の参考になれば幸いである。

  1. 連載中 (最終更新: 2025 年 7 月 7 日 )
  2. 6 作品収録
  3. 50,833文字(400字詰原稿用紙128枚)

Authors & Editors 執筆者一覧

高橋文樹

高橋文樹 著者

日本の小説家。1979年8月16日に千葉県に生まれる。株式会社破滅派代表取締役。太宰治や大江健三郎を輩出した東大仏文科在学中に『途中下車』で幻冬舎NET学生文学大賞を受賞し、幸福な作家デビューを果たすも、その後辛酸を舐める。2007年、『アウレリャーノがやってくる』で第39回新潮新人賞を受賞するも、単行本化されず、この世のすべてを憎むようになる。
自分の作品は自分で世に出すというDIY精神のもとに、日夜活動をしているプログラマーとしての側面もあり、千葉県でもっともGIthubスターを稼いだPHPエンジニアでもある。趣味は家づくりで、山梨に自分で家を建てた。

Works 収録作一覧

  1. 高橋文樹

    1. 兆候

    • エセー
    • 4,177文字
    • 2025 年 1 月 3 日公開

    二〇一九年、私は母の介護を始めた。母がパーキンソン病になったのである。二〇二五年問題を先取りする形ではじまった私の介護記録。

  2. 高橋文樹

    2. カフカ的介護認定申請

    • エセー
    • 9,264文字
    • 2025 年 1 月 5 日公開

    母と別居してから、ビジネスケアラーとしての私の介護生活が始まった。カフカの『城』めいた要介護認定を受けるまでの記録である。

  3. 高橋文樹

    3. 天才の母

    • エセー
    • 12,337文字
    • 2025 年 1 月 6 日公開

    地獄のような介護生活を経て要介護認定を受けた私は、天にも昇る気持ちになる。しかし、それも長くは続かないのが介護の難しさだ。

  4. 高橋文樹

    4. 地獄行きのチケットを握りしめて

    • エセー
    • 7,429文字
    • 2025 年 1 月 8 日公開

    私と母の介護生活は終わった。そこで得られた知見を私は共有したい。今回から二〇二五年問題と介護にまつわる実践的な内容を書いていく。

  5. 高橋文樹

    5. カネと介護

    • エセー
    • 7,647文字
    • 2025 年 1 月 14 日公開

    介護には金がかかる。本章では、カネと時間という厳粛な人生の指標について私の経験をもとにした情報を共有する。

  6. 高橋文樹

    6. ケアする惑星

    • エセー
    • 9,979文字
    • 2025 年 7 月 7 日公開

    ビジネスケアラーは孤独である。今回は「親を介護する働き盛りの中年男性」がどうやって倫理的なモデルを見出していくかについて書く。

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