初陣

月に鳴く(第7話)

合評会2021年01月応募作品

松尾模糊

小説

3,271文字

講談師に憧れて上京したマミと、高校の親友だったミサト。初舞台を踏むマミを観てミサトは何者にもなりきれていない、受験に臨む自分の状況に焦る。青春の日々を講談を交えて語った実験的掌編。

第三問 次の文章は高校生のミサトと講談師を目指している同級生マミとの会話である。この文章を読み、下の問い(問1~6)に答えよ。(史料は一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)(配点 15)

2021年1月10日公開

作品集『月に鳴く』第7話 (全16話)

月に鳴く

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© 2021 松尾模糊

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3.4 (11件の評価)

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"初陣"へのコメント 14

  • 投稿者 | 2021-01-21 06:25

    サイレントマジョリティーっていうのが良かったです。良かったと思います。あれのおかげで、ぐっと身近になったというか。身近だけど、でもやっぱり大変な世界というか。元は同じ場所だったはずなのに分かれて伸びる枝の様な感じになったというか。なんかそう感じがありました。あったと思います。

  • ゲスト | 2021-01-21 18:00

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  • 投稿者 | 2021-01-21 22:22

    わたしのマミに対する焦燥感や、試験前の緊張を高める描写がラストに梯子を外すためのフリとして機能している、というような印象を受けました。講談の『初陣』の内容が確認できていないので、どのような関連があるのか気になりました。

  • 投稿者 | 2021-01-22 20:23

    面白い趣向です。入試問題内に人物が入り込んでいるのも楽しかった。

    寄席で聞く講談は本来、演目を演じさえすればいいのでしょうが、古文をふんだんに使うからただでさえ難しいところに、落語と同じようにマクラやサゲが重要視されるし、落語と違って笑わせればよいというものでもないしで、若い演者にはかなり大変だと思います。マミの覚悟のほどを感じます。
    人と違う道を歩むマミが、ミサトにだけは晴れの姿を見てほしいという気持ちはかなり一方通行的な友情で、一方ミサトがマミの成長ぶりを目にして自分の卑小さを悔しく思うあたりもすごくリアリティがあります。

    それぞれの初陣で大手柄を上げられるようにと祈らずにはいられません。

  • 投稿者 | 2021-01-23 21:49

    「受験票を呈示してから~」に出てくる「わたし」はミサトではなくて別の受験生なのかなあと思いました。2ページ目の試験問題を導入するのは斬新だなあと思いました。

  • 投稿者 | 2021-01-24 12:43

    んんっ、ページがわかれてる? と思って2ページ目に行ったらまさかの試験問題。意表を突かれて面白かった。私は問題を間違えた。くやしかった。女の子同士の物語はさわやかでステキ。リストに入れとくだけじゃなくてちゃんと終わったら楽屋に来いと指示しないと来ないよね。じれったくてかわいいな。

  • 投稿者 | 2021-01-24 18:03

    あ、二ページ目気がつかなかったです。

    講談師と受験生の対比でお話を進めているのだけど、途中どっちがどっちの視点よと混乱してしまったり。
    ナンバリングした方が解りやすかったかもしれませんね。

  • 投稿者 | 2021-01-24 19:02

    視点が結構往復してるなと思いつつも、プロとして一歩先を進んだ友人に対する焦燥感と、マミの思いやりとが対比してて非常に好感が持てました。
    (問題は結局カンニングしてしまいました

  • 投稿者 | 2021-01-25 08:26

    時間軸視点が目まぐるしく変わる百合物語。少々混乱しましたが、最後の飛び道具にやられました。ページを使ったメタ仕掛け、今度パクらせてもらおう。

  • 投稿者 | 2021-01-25 10:41

    視点人物を変えるときは何か工夫してもらえると嬉しい。ん?ミスかな?と誤解して印象が下がってしまうからです。まあ今回最高評価なんですけど

  • 投稿者 | 2021-01-25 14:42

    改ページ機能があるというのを初めて知りました(笑)
    試験問題の答えは考える前にすぐググってしまったヘタレです。
    女講談師といえば最近神田茜さんの書くものがなかなか面白くて考えさせるので気になっています。

  • 編集者 | 2021-01-25 15:32

    落語に比べても講談にはあまり縁が無いのだが、青春、初陣と絡めて面白く読めた。月並みだが改ページの工夫が面白い。

  • 投稿者 | 2021-01-25 18:45

    入試問題風のオチは今まさに旬の時期でもあるので、面白かったです。2ページがあるのを最初見逃した自分が言うのもなんですが。単純に好きなタイプのお話。松鯉先生の講談は弟子にしてスーパースターの伯山先生とはまた驚くほど対照的で鷹揚な語り口で、「ああ、こんな風に時が流れる講談もあるのだなあ」と浅草で感動した記憶があります。

    • 投稿者 | 2021-01-25 18:54

      あと、貞友先生、貞鏡先生……女流の方が数多輝いている、講談界に対するエールというか、アオハルモノというか、講談版『赤めだか』的なポジティブなものを感じました

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