2016年6月22日(水)から25日(土)の四日間にわたり、神奈川県立川崎図書館で社史を一望できるフェアが開催される。2015年に刊行された社史だけで約200冊あるという。全国的に見ても例のない取り組みであり、昨年放送されたタモリ倶楽部『1万7千冊の蔵書から学ぶ他社に差のつく社史の作り方』 をご覧になった方もそうでない方も、ぜひこれを機会に足を運んでみてはいかがだろう。

川崎図書館は全国随一の社史コレクションを持つ図書館として有名。普段は閉架となっているが、貸出をすることもでき、17,000冊の蔵書がある。トヨタのように歴史の長い起業の物語を読むのも、よく知らない地方の小さい会社の社史を読むのも、それぞれに興味深い。

単に娯楽として社史を眺めるのも良いが、創作のネタ探しなどの強い味方になってくれることも請け合いだ。筆者も小説の下調べとして三井造船株式会社三十五年史などの様々な社史を読んだ。社史の本質は「自慢のために書いた自伝」であるため、歴史と呼ぶには偏見と自負に満ちすぎているが、それでも社史にしか切り取ることのできない時代の側面が存在することもまた確かなのだ。