今また、私に……私に包帯増やすこと考えてましたね?……いやらしい
三月合評会テーマ「二回目の臨死体験」応募作。人を喰らうヒグマに、幼いころ襲われた冬二が家族を失い、成長して宿命のヒグマに挑む。
《繋馬図絵馬》狩野山楽(1614年、京都・妙法院) 砂漠で数多の白骨死体と朽ちた楽器が発見された。話す馬レポマンは、そこで起こった悲劇を調査員に語る。
「死化粧」から改題しました。父と子の話。
嵐の夜の灯台守は鯨が空を飛ぶのを見た。幻想的な光景を方言を用いて表現した掌編。
子悪魔を見つけた子どもがその世話をする話。それは眠れぬ夜の悪い夢なのか、幼い彼には分からない。
満月の夜に海底人が地上の人間をさらうという言い伝えがある小さな漁村で起こった、一夜の出来事。
ウディ・アレンの『マジック・イン・ムーンライト』とシルビアン・ショメの『イリュージョニスト』をもとに書きました。『マジック~』は南フランスの女占い師のインチキを見破るためにイギリスのマジシャンが…
思い描いた理想が気高く美しいほど、それが敗れ去った姿は惨めでより美しい。欲するものは往々にして遠回りしなければ手に入らないのだ。
※破滅派オリジナル作品。 ※副題「Japanese Utopia」
人々の感情が一定量を超えた時に起きる現象、 『愚現』。 愚現が起きた時、 人の心からは妖が生まれる。
私たちは毎日まいにち何かを喪って。想い出は私たちの中にあって。また鐘が鳴る。
「日の因子」と「影の因子」を軸に、光と影をイメージした詩を集めました。朦朧とした意識が捉える2つの因を感じてもらえたら幸いです。小説『影の影』と双子となる作品で、まずは数々の因を散りばめる大事な…
きっと、あなたの時間を一分も奪いはしない掌編小説。あなたの何かが変わることを作者は願う。
あの冬。 病院の中庭で、私は眸に雪を抱く少年と出会った。 自らを「雪の申し子」と称する彼に。
ぐるぐると同じ場所を回り続ける。それはダンスのよう。
後暗さの結晶のような詩です。つい先日、庭で異常に繁殖し始めた石実皮を、通りすがりの老人Aがカメラで撮影していました。その姿を簾越しに眺めていたら、老人Aは傍にあった南天の実をいつくかもぎ取ってい…
酷いなあ、惨いなあ、と思うことって案外身から出た錆だったりしますね。ハルノアラシはどこまでも残酷で、惨いです。でも、どうしても目を離せない。