第四子の出産を間近に控えた真夜中、延々と「この世に生まれることは害悪である」と二時間主張し続けたことにブチ切れた夜以来、すっかり絶縁していたと思い込んでいた反出生主義者Iから久しぶりに連絡があっ…
2013年から2019年にかけて破滅派で発表された掌編から選りすぐりのものを集めました。大人向けの恋愛小説から、時事ネタを取り扱ったユーモア、異国の地を舞台にしたパニックものなど、ジャンルフィク…
もしあなたがWeb時代の文学に興味があるならば、一度はエメーリャエンコ・モロゾフの名を聞いたことがあるだろう。本書は謎めいたモロゾフの文学の精髄に迫る決定版である。本書は本邦初の入門書であり、モ…
狩人が自らの道具を手入れするように、小説家もまた自らの小説を紡ぐための道具を作るべきだ——本書はそのようなDIY精神を体現する著者による思考と実践の足跡である。
破滅派13号BTTBでは「作家の処女作を元に作品を書く」というお題で原稿を募集しました。そこに集められた作品のうち、優れたものを電子書籍として販売いたします。
都内のIT起業で働く「俺」は、ある日突然、駅でパニックに巻き込まれる。たまたま居合わせた女子高生のカズと一緒に駅の用具室に避難した俺は、ゾンビのようなものを目撃する。それから数週間の間、人々はい…
「たしかにSFの90%はクズだが、あらゆるものの90%はクズだ」と、SF作家のセオドア・スタージョンは言っている。ということは、つまり、SFの最大派閥、もっとも正しいSFとは、クズSFだというこ…
東京のスラム街「山谷」に暮らす男とルームシェアを開始することになったタカハシ。あるかなきかのつながりが、人生の深淵を垣間見させる致命的なつながりとなる。高橋文樹北千住時代(2004年〜2008年…
魂は貸したつもりが質流れ——泉鏡花の名作『歌行燈』を材にとり、全編七五調のみで書かれた衝撃のヒップホップ小説。耳を澄ませば、聞こえくるのは怨念怨。ぜひ声に出して読んでみてください。
彼女にはとても素敵な名前があった——ある女性への追想から始まる手記。男が一人の人間の存在について長い思索を巡らせるようになったのは、彼の巻き込まれた不条理な事件がきっかけだった。カフカの『城』を…
北千住でひきこもっていた作家志望の男が同居人に追い出されて、ついに外に出た。荒川河川敷を徘徊した男は、兎を繁殖させる兎屋、クズ鉄の改修をする鉄、ビニールシートハウスに書架を持つインテリのチョウさ…
大学卒業後、すべてを失って栃木で塾講師として働く「ぼく」。一緒に暮らしている寛美は中学の同級生で、絶世の美女だったが、少しメンタルが弱かった。 寄り添うように生活する二人だったが、ある日「ぼく…
小説家を目指している(らしい)女の子の元へ届いた手紙は、ルシ・フェル樹を名乗る男によるものだった。彼はその子のネタになるようにと、ビル警備員として勤める職場について語りはじめる。書簡体喜劇小説。
テキストが電子書籍やWebページなどの形をとって流通する時代、テキストに対していかに向き合うべきか。様々な試行錯誤の末にこぼれ落ちる断章をまとめています。2012年より足掛け5年に渡って連載され…
信用ならない語り手Fが送る海洋伝奇小説。「血のこと」を巡って平成と大正をまたいで繰り広げられる海洋メタフィクションの行き着く先は21世紀小説の最高峰に到達する。