殺風景

昏睡状態(第12話)

大川縁

5,190文字

詩です。ふと東武東上線寄居駅で蕎麦を食べたことを思い出し、そこからイメージして書きました。もっとグッチャグッチャにしてやりたかったのですが、なんだか色々と見失いそうでしたのでコンパクトにまとめました。混乱は常にしているので、論理とかは先に墓に入っています。

東武東上線下り 和光-朝霞

 

 

タタン タタン

タタン タタン・・・

 

乗り物酔いすると 音や眼圧に敏感になるような気がする

いろんなものが体の中に 勝手に入ろうとするから

本当は暴れているよ

遠くの殺風景に並ぶ

ガードレールの脚の数を数えながら

 

車内の人間は俯くと陰になり

モニターから伝わる熱で 色を変える

 

まばらな気まぐれ 憂鬱な思考は後をつける

縄のかかる首 引いてくれ

 

嵌め殺しの居心地に

どうして足掻かずにいられるのだろう

 

奇妙だよ

そのご褒美 美味しい?

 

・・・・・・

 

東武東上線下り 志木-柳瀬川

 

 

タタン タタン

タタン タタン・・・

 

タタン タタン

タタン タタン・・・

 

 

「もしオマエに少しでも考えているなら、もっとマトモな発言ができる」

 

タタン タタン

 

「それは、やっていただかないと・・・」

 

タタン タタン

 

「普通は言わねえだろ。手を動かせよ」

 

タタン タタン

 

「足引っ張るだけ、まだマシじゃない?ちょっと知恵遅れの方が愛嬌あるよ」

 

タタン タタン

 

「例えばオマエが猿と一緒にいたら、猿はオマエを同類だと思って敵意剥き出しで襲うね。

同レベルでしか喧嘩できないんだから喜んで受けてやれよ」

 

タタン タタン

 

「これ違いますよ」

「いい加減、覚えましょう」

「どうして皆ができていることができないの?」

「どうして上手く話すことができないの?」

 

 

「どうして?」「ドウシテ?」「どう(して)?」ド ウ シ テ ?

 

____________________

 

 

タタン タタン

タタン タタン・・・

 

 

東武東上線下り ふじみ台-上福岡

 

 

タタン タタン

タタン タタン・・・

 

好きな音に耳を傾けている

鈴虫の鳴き声に似た 懐かしい匂い

 

空気の中で遊ぶことは好きだ

でも

乗り物は好きになれない

 

運ばれるだけの積荷のように

固定ベルトの圧迫が 肋骨に伝わり

僕は数えるために 息をしていると

喉元辺りで笑われる

 

それでも 線路に車輪が噛みつく音の

抑圧を軋ませる悪意に

震えている 幼い恐怖のバルジ

 

君のいる故郷が肺でできていて

膨らんでは萎み

ブラックホールの呼応に

敏感に反応しては 人の願いを回収することを

僕も望んでいるよ たぶん

 

また掴み損ねた

2016年1月21日公開

作品集『昏睡状態』第12話 (全17話)

昏睡状態

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© 2016 大川縁

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