延延延長

小林TKG

小説

1,449文字

そう言うのが、実際あっても私の生活は特段変わらないんで、別に。あと、こんなの書くのも馬鹿みたいだけど、フィクションですんで。フィクションって言うのは実際とは違うっていう事だから。

今年の5/28に政府が新型コロナに関しての9都道府県の緊急事態宣言を6/20まで延長することを発表した。んで、6/15に再度の延長を発表した。

 

「おおおー!」

そのニュースが速報的にスマホに、まずヤフーでしょ、次にdニュース、dメニュー、iチャネル、ライブドアニュースのアプリで通知となってピコンピコンなって、うるさって思ったけど、とにかくそれを確認した時興奮した。

 

だってあと一回延長したら延延延長になるから。

 

そしたらほら、RADWIMPSみたいになるじゃん。ほら、前前前世みたいになるじゃん。そしたら新海誠さんの君の名は。みたいになるし、何だったら新作が出来るかもしれないし。

 

だから興奮した。それはもう興奮した。現状の風潮的にあんまり興奮してしまうと、コロナになる可能性もあって危険だったけど、なんかほら、カラオケとかでクラスターとかもう結構定番というか。だから現在に至るまで発症もしないし、熱も上がらないし、味覚も嗅覚も無くならないだけで、咳とかも出ないだけで、大抵の人はもう実は未発症なだけでみんなコロナで。で、あまりションテンをあげて騒いだりすると発症する可能性もあって、例えるならスピードの上昇に伴い物体の強度が減るみたいに。だからあんまりションテンをあげてしまうと危険だとは思うんだけど、でも、こんな機会は滅多にないに違いなく、そら興奮もする。何せ延延延長まではあと一歩だもん。

 

だから、

「もう一回!もう一回!」

ってなった。いやあんまり大きな声では言えないけども。あと住んでる家が集合住宅だから、隣近所も居るわけだから口をタオルでふさいでの、気を使っての大声だったけど、でもとにかく、

「もう一回!もう一回!」

ってなった。それはもう、そうなる。私みたいなもんは。

 

まだ、元の世界に戻れるかも感が残ってる現状でおいそれと簡単に解除されてしまっては困る。

 

一生ソーシャルディスタンスとか、もっと、もう一生元の世界には戻らないんだ。という感じになるまで、このままでいてもらわないと困る。興味のない飲み会が行われたり、他人と食事をするのが普通って言うのがまかり通ったり、そういう文化がもっと衰退するまで、何だったら大石圭さんの『自由殺人』って本に書いてるように、この事件を機に、隣人とかとの関係性が消滅した。ってなるまで。ああいう文化がもっと完全に消滅するまでこのままでいてもらわないと困る。

 

そうしないとコロナロスになっちゃう。少なくとも後4、5年。始終ご縁がありますように。的にあと4、5年。あと4、5年はマスクしないで外出したら、殺されても殺した側を罪に問わない。電車で咳したら、非常停止ボタン押される。マスクを買うためにつかみ合いの喧嘩が発生する。みたいな感じじゃないと。

 

あと、首相にはまだしばらくこの大変な時期を背負っていてもらいたい。

 

っていうのもこないだ実家に帰省した時秋田駅のニューデイズに菅ちゃん饅頭っていうのが売ってて、それをその時は、

「へー」

って思っただけで買わなかったんだけど、でも今か考えるとあれ買ってたら面白かったなって思う。考え直した。考えを改めた。

 

今はあれ欲しいなってる。

 

だから、今度帰省するまでは菅首相でいてもらいたいなあ。

 

あともう一回延長してほしいなあ。

 

延延延長になったらいいなあ。

 

 

2021年6月14日公開

© 2021 小林TKG

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