最後の一粒が残ったチョコレートの箱を後生大事に抱えながら、私はバイト先に到着した。
一箱十二粒入りのチョコレートに私は残り少ない人生を委ねることにした
たまに殺人衝動に駆られる。彼女はいつも平然としているから、自分の器の小ささを思い知らされるようで、彼女の白く細い首筋に手の甲を沿わせて、撫でるふりをして締めてしまいたくなる。
あなたにもできるダイエットストーリー。 太っていることは罪であろうか、それとも罰であろうか。
学校をサボって、喫茶店を見つけた小諸桃子だったが――彼女はやはり、喫茶店に置いても生きづらかった。言葉にがんじがらめになる日々に、さよならを告げる日はいつ来るのか――読者の私は、もやもやするばか…
合評会2020年5月応募作。テーマ「不要不急」 通信、流通等社会的機能が麻痺し、既存の多くの国家がすでに潰えた世界における、とあるコミューン。 彼から新たな国家の建設に協力するよう迫られた私…
ゆでたまごを三つ堪能した後、学校をサボる小諸桃子だったが、彼女は、横浜駅で、喫茶店を探すのに苦労していた。休憩する場所ひとつ探すのにも、疲れてしまうこの社会で、彼女がようやくたどり着いた場所とは…
不要不急なのは一体なんだろう。そして誰がそれを判断するのだろうか?
人間ってどこまでも難儀な生き物である。言語の不自由さに生きづらさを感じながらも、言語に依存しながら身体を作っていかなければならないのだ。そして、気づいたときには、取り返しもつかないくらいに、いび…
スピリタスのニュースを見て思いついてたんですけども、書くまでに随分と時間がかかりました。とてもかかりました。
参照作品『軽蔑』(監督ジャン=リュック・ゴダール、1963年 やや倦怠気味の女優と脚本家の夫婦がプロデューサーに招かれイタリアのカプリ島に赴くが、二人の関係は徐々に悪化の道をたどる。プロデュー…
量子力学と朱子学は非常に似ている。「気」を「粒子」とすれば、ほとんどそのままである
多分、水曜日でない日はない。 少女はそう思い込んで背を正してみる。 青春期真っ只中の少女が織りなす、煌びやかなドタバタ青春コメディ。
芸術家の魂は受け継がれて、普遍の価値は減じることはない。
歴史に「もしも」は禁物である。しかし我々はもし過去がああであったならばと想像をしてしまう。この掌編はその一つの回答。 日本はアメリカと戦争をし、そして負けた。もし、負けもせず勝ちもせずにあの戦…
被害者の家族。加害者の家族。どちらが不幸か比べることはできるのでしょうか? 読んだ後、少しでも考えて貰えると幸いです。
偉大なるジャズドラマー最後のギグに接した者として、彼の思い出のために書いた掌編です。
運搬可能な僕らのダンス。ひび割れた響きのダンス・ステップで、あなたも同じものを目にしてきたはずで、これからもそう。病気が書かせて踊らせた、病気に忠実なテンポで踊った小説はもう終わり。それでもず…
破滅派は同人サークルから出発していまや出版社となりました。
破滅派の書籍は書店・通販サイトでお求めいただけます。