日本列島SOS!警察24時年末緊急スペシャル ~日本の治安は俺たちが守る!~

天覧混血(第2話)

Juan.B

小説

6,213文字

※破滅派オリジナル作品。

※2016年11月31日某民放放送分
※付 2017年2月29日「新たなる使命」某民放放送分

日本列島SOS!警察24時年末緊急スペシャル 

~日本の治安は俺たちが守る!~

(2016年11月31日放送)

 

 

日本の夜は古来、静かなものだった。

聞こえるのは鳥獣の鳴き声とせいぜい夜這いに向かう足音ぐらいのものだった。

だが最近の日本の夜はどうだろうか。

俺達は日本の夜を乱す奴らを許さない!

 

そう意気込むのは警視庁管下某警察署生活安全課のボス、勤続20年のベテラン佐藤警部だ。

 

日本の治安は近年急激に悪化している!

在日外国人やそれに伴う混血の増加とともに、近隣住民の不安は高まり、安心して暮らせない人々が増えている!

今日も早速通報が入る!

 

「はい、もしもし事故ですか事件ですか」

「が、ガイジンが歩いてるんです」

「どこで!何名ぐらいですか!どんな肌の色をしていますか!」

「狗疎商店街を、一人で、肌は……泥みたいな色してる」

「褐色ですね!」

「そう……」

「何語を喋っているか分かりますか」

「ちょっと良く分かりません」

「どうも通報ありがとう」

 

佐藤警部は急いで連絡を回し、日本の土地を汚すガイジンの包囲を命令した!

俺達の愛する町をその穢れた足で踏みつけたやつは絶対無事に帰さない!

 

佐藤巡査部長はカメラに向け語りかけた。

「ガイジンが居ると窃盗、暴行、強姦、詐欺、何でもやらかしよりますよ、目に入るだけで公務執行妨害だしね」

 

そう語る佐藤巡査部長の笑顔は光り輝いていた!

日本の治安は俺達が守る!その心が佐藤の顔を輝かせるのだ!

 

「池田はチョン語が専門、橋本もシナ人の相手が得意、相手の肌は褐色だから……」

 

佐藤巡査部長の推理がさえる!

 

「うちの署にスペイン語とかポルトガル語を分かる奴がおらんでな、応援呼ぶしかない」

 

その頃、通報の連絡を受け現場にパトカーが急行していた。

 

「エークソショウテンガイニキューコーチュードーゾ」

 

東京の安心は俺達が守る!パトカーは治安を守る最高の足だ!

そう語るのは吉本巡査部長。その傍らに座るのは頼もしい後輩の婦警、草薙巡査!

 

「ガイジンですか」

「忌々しいんだよクソアメ公が、ヘレンケラーなら空港中だけ歩いてろってんだ、日本の土地を踏むんじゃねえ」

「さすがです、先輩、本当にその通りです、すばらしい、絶頂するくらい素晴らしいですよ」

「だろ?」

 

ああ、草薙婦警のような人物がもっと日本に増えてくれれば!吉本はそう思った。

 

「いたぞ!あいつだ!」

 

一際高まる興奮!街をうろつく薄汚い犯罪者を始末する時ほど心高まる時は無い!

 

吉本と草薙は颯爽とパトカーから降りると、リュックを背負い褐色の肌をした青年に近付いた。

 

「何をしている!」

「?」

「どこから来た!何をしている!」

2016年12月28日公開

作品集『天覧混血』第2話 (全5話)

天覧混血

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© 2016 Juan.B

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