川端康成記念会が主催する「第48回川端康成文学賞」が4月4日に発表され、町屋良平「私の批評」(「文藝」2023年春季号掲載)が受賞した。

 川端康成文学賞は、川端康成が受賞したノーベル文学賞の賞金を基金にして1972年に設立された。審査の対象は短篇小説とし、その年度における最も完成度の高い作品に授賞される。2019年に一時休止したものの、2021年に復活した。昨年は滝口悠生「反対方向行き」が受賞している。

 町屋良平は、1983年東京都生まれ。2016年に「青が破れる」で第53回文藝賞を受賞しデビュー。2019年『1R1分34秒』で第160回芥川賞受賞。2022年『ほんのこども』で第44回野間文芸新人賞受賞。ほか著書に『ショパンゾンビ・コンテスタント』『しき』『ぼくはきっとやさしい』『愛が嫌い』『ふたりでちょうど200%』『ほんのこども』『生きる演技』などがある。

 選考委員は荒川洋治、角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子の五人。