4月13日、第45回川端康成文学賞の選考結果が発表され、千葉雅也『マジックミラー』が受賞することとなった。

今回受賞が決まったのは、千葉雅也の小説『マジックミラー』。本作は昨年4月に書肆侃侃房より刊行された文学ムック「ことばと vol.1」に掲載された作品であり、同誌には破滅派同人・佐川恭一の作品も掲載されている。千葉雅也は1978年栃木県生まれで、主に哲学者として活動しており、現在は立命館大学大学院先端総合学術研究科教授を勤めている。小説家としても数々の賞を受賞しており、2019年には『デッドライン』で第41回野間文芸新人賞を受賞、また芥川賞候補としてもノミネートされていた。

川端康成文学賞は、ノーベル文学賞作家川端康成を記念し、ノーベル文学賞の賞金を元に創設された、短編文学を対象とした文学賞である。川端康成の提唱した「掌の小説」の理念に基づき、開催年の前年度に発表された最も優れた短編小説を選考対象としている。2019年から、審査委員長の川端香男里理事長(故人)の体調不良と財政上の問題により開催を取りやめていたが、2021年度より再開された。今回の選考委員は荒川洋治、角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子。

賞金は100万円とされ、賞の贈呈式は6月25日に東京・虎ノ門の「The Okura Tokyo」で開催予定である。