西暦二〇四一年、実質一ヶ月しか続かなかった対中露戦争が終わり、日本がとても曖昧な敗北に甘んじていたころ、両親は山口県長府市のはずれにある霊鷲山のふもとの一軒家に住んでいた。俺に戦争の記憶は一切無…
雪は崩れ落ちた山門の屋根につもり、時折石段の上に落ちて泥水とまざりあった。 境内は白一色、松の枝からこぼれ落ちた雪が手水舎の水に溶けて消えた。 国宝の仏殿があったらしい禅宗の廃寺は、仏殿も山門も…
ゴリゴリ君、ルネッサンス、縄文スタイル。
セレモニー、洞ヶ瀬スレート、縄文スタイル。
週刊アゲンスト、エビデンス、縄文スタイル。
駅のポスター、教科書のコラム、縄文スタイル。
ホイヤー! ホイホイヤー! 縄文スタイル。
ワークショップ、ワイドショー、縄文スタイル。
東北新幹線、Jモンスター、縄文スタイル。
マンションポエム、あずきバー、縄文スタイル。
いつか必要になると思うの、と、彼女は銃を置いていった。
レーズンパンを一口食べて自分が愛だと思っていた感情が恋だったと気づいてしまった男の、少女との給食の時間から始まる出来事の独白です。 愛したくて守りたかった少女との、無責任で間違った恋のかたちを…
人生の最期を誰と過ごすことができるのか? と考えた時に、自分では最後のパートナーを選ぶことはできないんだろうな。と思いました。 人生の最期はロマンチックに終わりたい。そんな願いと、自殺未遂した…
破滅派合評「銃」参戦作品。銃があれば評価も変わってくるに違いないのだ。よし。Photo credit: Powerhouse Museum Collection on Visual Hunt /…
9月合評会応募作。お題が「地元」ということで長崎の夜景と中学時代の思い出と絡めて書きました。思い出以外はフィクションです。
『破滅派』14号応募原稿です。
右のほうには透明の空間が遠くまで広がっていて、下半分は地球の備品たち。左目を左に動かすと右目も一緒についてくる。銀色のウエハースみたいなビルディングがたくさん視界を遮っている。 Sに撫でられたと…