ただ春を待つことが、こんなにも残酷であろうとは。 薄暮教室:短編
春はいつもそこで鳴っていた。さやさやと、さらさらと、遠き日の眼差しを閉じ込めて。 薄暮教室:短編
どれだけ支えになっていたかなんて、お前は知らなくていい。知られたくない。だってそんなの、カッコ悪いだろ。 さよなら。俺みたいにだけはなるなよ。
十五年もつるんできて、そんな素振りは一欠片だって見せなかった。それが何より腹立たしかったと、直接伝えるまでは絶対に許さない。
呼ばれたかった。許されたかった。連れて行ってほしかった。 生きていくしかないのなら、せめてそこまで届くように歌おうか。
誰が殺したクックロビン? ――落ちたら二度とは戻せない。
真実に手を伸ばせ。リミットに呑まれるその前に。
あのとき名前を訊いておけばよかった。次に会ったときには、もうその猶予はないかもしれないのに。
信頼と盲目は紙一重。 扨、嘘吐きは誰だ?
真相を追う者と深層を追う者
三人の訪問者と、彼の縋るものについて
博打と麻薬は夜の色をしている。 ――夜を生きる人達のお話。しばらく連載します。
世界中が停滞している間に気まぐれな約束ひとつ残してうっかり何の関係もない理由で溶けてしまったミュージシャンの話
余命僅かな小説家と醒めた若き編集者、祈りの在処について
逢うは別れの始め。それではあまりに寂しいから、しばし夢を見るとしようか。 薄暮教室外伝、本当は花が散る前に書くつもりでしたがいつの間にやらGWになってしまいました。この子達誰?と思った…
春は何度でも巡り来る。それが救いになるのだと、教えてくれたのは先生だった。
いつの日か、君のいるところに手を伸ばす日がきたら――そのときにはまた、いつかの話の続きをしよう。
拐ってやりたい。その運命からも、枷のついた身体からも。 望まないと知っていた。拐うかわりに、手のひらを重ねた。