国分寺街道のハケの南側を終点まで行き、
そこから府中市にある馬場大門のケヤキ並木が始まる。
大國魂神社の参道でもあるケヤキ並木では市が開かれ、
人の往来が途絶えることなく、賑わいをみせていた。
この辺りの昔話でもみる桃の市は、
現在でも「すもも祭」として続いていて、
夏の風物詩として楽しまれているようだ。
その起源は古く、前九年の役まで遡る。
源頼義と義家父子が、奥州平定のため朝廷から派遣され、
途中の大國魂神社で戦勝祈願をした。
戦に勝った帰途、戦勝御礼詣りをし、祭が起こった。
その際に供えられた神饌の一つにすももがあったため、
すもも市がたつようになったという。
祭のある七月が待ち遠しくある。
稲荷神社を横目に大鳥居をくぐると、
参道で流鏑馬が行われていた。
駆ける馬の艶やかな毛並みに集まった人は魅了されている。
私は東京競馬場へ行く前に神頼みをしようと
たまたま立ち寄っただけだったのだが、
目前を馬が駆け抜けていく姿と、
その蹄の音には圧倒されるものがあった。
拝殿で参拝を済ませ、意気揚々と再び大鳥居をくぐる。
樹齢六百年の大欅が、参道を行き交う人の頭上から
その一日を見守るように静かにそびえ立っていた。
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