原始村

大川縁

600文字

山梨県北都留郡小菅村にあるキャンプ場を目指した時のことを詩にしました。まだ雪が残っていましたが、道はわりと走りやかったです。山の景色に身も心も洗われるような気分になりました。

奥多摩湖に臨む青梅街道のトンネルを抜ける。

夜明けとともに湖面は朝の光を反射して、街道を眩しく照らす。

夜間は通行禁止になる奥多摩周遊道路が、

湖の向こうの山なりに続いているのを眺めていた。

 

原始村という名のキャンプ場を探していたのだが、

地図によると所在地は山梨県北都留郡小菅村とあった。

小菅村は人口が八百人に満たない村で、

多摩川と相模川の源流があるという。

慣れ親しんだ多摩川は、ここまで遡るのかといたく感動し、

自転車を漕ぐペースも徐々にあがっていた。

 

旧青梅街道をさらに行くと、雪景色が一層深くなり、

雪解け水が流れ込む川は底まで透通っている。

いくつも峠道が続いたが、疲れは大したことなく、

むしろこのまま、どこまでも行けるような気さえしてくる。

 

そうして目的の原始村に辿り着くと、

一面純白の雪をかぶった縄文風のバンガローが、山中にひっそりと佇んでいた。

キャンプ場はあいにく営業しておらず、外から眺めることしかできなかったが、

それでも竪穴式と横穴式を模した造りがよくわかり、外観を楽しむだけでも満足できた。

傍に村営のバス停があり、日に九本は来ることになっているようで、

バスに揺られながら訪れるのも悪くないと思える。

 

元来た道を戻るのは名残惜しかったが、

朝の日差しを浴びながら帰る道程も、一層輝いていた。

 

2016年10月20日公開

© 2016 大川縁

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