5月15日の朝日新聞デジタルで髙井は(ひと)高井ホアンさん 戦前の「鬼畜米英漫画」や「反戦発言」を調べるライターとして紹介されている。すでに上梓している『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』に続く『鬼畜米英漫画全集』により、「戦前の一般大衆による発言ディグ」の専門家としての評価が定まったのだろう。

なお、朝日新聞には有料会員登録が必要。筆者は中身を見られてないのだが、ぜひ全国紙で注目される闇の混血Juan.Bをご覧いただきたい。

Juan.Bの新著『鬼畜米英漫画全集』は戦前・戦中の風刺漫画における米欧社会の描かれかたの変遷を追った、おもしろおかしい比較表象文化研究である。戦争の激化とともに、最初は羨望の目で眺めていた米欧が徐々に悪魔・鬼として描かれるようになっていく。前作の戦前不敬・反戦シリーズと共通した、メディア空間における一般大衆のイメージ消費をフックアップした良著だ。

各漫画の掲載誌や年代のほか、テーマ別のコラムも多数掲載しており、480ページに迫る大著だが飽きさせない。なにより、貴重な資料として長く読まれることだろう。

『鬼畜米英漫画全集』P.316「鬼はワシ、鬼はワシ!」

破滅派同人として活躍著しい髙井ホアンからは今後も目が離せなさそうだ。破滅派におけるはっちゃけた創作もたのしにみしてほしい。

ちなみに、朝日新聞で紹介された余波か、現在Amazonでは在庫切れになっている。楽天ブックスヨドバシ.comなどの他の書店ではまだ入手可能なようなので、そちらをお試しあれ。