「第4回みんなのつぶやき文学賞」の結果発表会が3月23日に行われ、国内篇受賞作では第1位に津村記久子『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版)、海外篇受賞作では第1位にモアメド・ムブガル・サール『人類の深奥に秘められた記憶』(野崎歓訳、集英社)がそれぞれ選ばれた。

 「みんなのつぶやき文学賞」は、2010年に書評家の豊崎由美を発起人として創設された「Twitter文学賞」の意志を受け継ぎ、ミステリ書評家の若林踏が発起人代表となり2021年から新たに「みんなのつぶやき文学賞」としてスタートした。

 昨年発売された作品を対象に今年1月27日~2月4日までの投票期間の集計によって順位を決定。今回はより多くの方に参加してもらう趣旨で、これまでのTwitter(現X)でのハッシュタグによる投票から投票フォームによる受付に切り替えられた。結果発表会には若林のほか、書評家の倉本さおり、インタビュアー・ライター・書評家の長瀬海、SF書評家・研究家の橋本輝幸、文筆家・ゲーム作家の山本貴光が出席した。

 国内篇の第2位は福田節郎『銭湯』(書肆侃侃房)、第3位白井智之『エレファントヘッド』(KADOKAWA)、乗代雄介『それは誠』(文藝春秋)、第4位小川哲『君が手にするはずだった黄金について』(新潮社)、酉島伝法『奏で手のヌフレツン』(河出書房新社)、第5位津原泰水『夢分けの船』(河出書房新社)、佐藤究『幽玄F』(河出書房新社)となった。

 海外篇は、第2位マリアーナ・エンリケス『寝煙草の危険』(宮崎真紀訳、国書刊行会)、アリ・スミス『五月 その他の短篇』(岸本佐知子訳、河出書房新社)、ジェフリー・フォード『最後の三角形』(谷垣暁美訳、東京創元社)、第4位ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ『過去を売る男』(木下眞穂訳、白水社)、ジョン・スコルジー『怪獣保護協会』(内田昌之訳、早川書房)、ジョン・スラデック『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』(鯨井久志訳、竹書房)、ペ・スア『遠きにありて、ウルは遅れるだろう』(斎藤真理子訳、白水社)、ローラン・ビネ『文明交錯』(橘明美訳、東京創元社)という結果になった。

 なお、そのほか投票結果は公式サイトで確認できる。