フランツ・カフカの没後100年を記念した「カフカ・フェスティバル」が4月1日から都内各地で開催される。

 カフカの生誕140周年(2023年)、没後100年(2024年)を記念し、チェコ、ドイツ、オーストリア、ポーランドの在日文化機関は「Kafka Projekt 23→24」と題して、カフカの作品やその影響をテーマにしたイベントを開催してきた。今回のフェスティバルがプロジェクトの締めくくりとなる。

 「WALL ART PROJECT」では、4月1日~4月15日まで渋谷駅ハチ公前広場・北面仮囲いでチェコのヤクブ・マトゥシュカ aka Maskerとオーストリアのニコラス・マーラー、2人の現代アーティストによる、カフカからインスピレーションを受けて制作したアートワークを渋谷駅前の仮囲いに掲示。

 展示「フランツ・カフカ 時代の子であり、現代の人」では、4月1日~5月20日までチェコセンター東京でカフカの生涯を、チェコの作家ラデック・マリーと挿絵家レナータ・フチーコヴァーによるパネルで振り返る展示を行う。会場ではほかにも、ヤクブ・マトゥシュカ aka Maskerによるアート原画の展示、フランツ・カフカをテーマにしたゲームの紹介も予定。

 VRインスタレーション「変身 – VRwandlung」では、4月9日~14日までゲーテ・インスティトゥート東京ホワイエでカフカの『変身』をVR化したインスタレーションを行う。体験者は虫へと変身した物語の主人公グレゴール・ザムザとして、その世界に没入できる。

 「カフカ違式 詩と即興のライブコンサート」では、4月12日にゲーテ・インスティトゥート東京ホールにおいて、ジム・オルーク、山本達久、巻上公一から成る「カフカ違式(Kafka-Ishiki)」がライブコンサートという形で音楽を提供し、文学と音楽のつながりを問いかける。巻上によるカフカの詩の朗読からライブは始まり、朗読によって呼び起こされるイメージや音をもとに、山本とオルークが即興で参加する。

 また、4月20日には東京大学本郷キャンパス法文2号館2番大教室でセミナー「カフカとシュルツ」が開催。1991年のポーランド映画、ピョトル・ドゥマワ監督の『フランツ・カフカ』を上映。東京外国語大学等非常勤講師の久山宏一が解説を行う。さらに、東京大学准教授の阿部賢一が司会を務め、名古屋外国語大学教授の加藤有子による講演「カフカ、ブルーノ・シュルツ、E.M.リリエン――中東欧ユダヤ系作家・画家の文化混淆性」を行う。

 また、昨年シンポジウムを共催した早稲田大学国際文学館では、4月26日~9月16日までカフカ没後100年記念展示「「変身」するカフカ展」が行われる。

 それぞれ詳細はHPで確認を。