日本で最も有名な文学賞である、芥川龍之介賞・直木三十五賞の第164回受賞作が発表された。

芥川賞の選考委員は、小川 洋子、奥泉 光、川上 弘美、島田 雅彦、平野 啓一郎、堀江 敏幸、松浦 寿輝、山田 詠美、吉田 修一。

直木賞の選考委員は、浅田 次郎、伊集院 静、角田 光代、北方 謙三、桐野 夏生、高村 薫、林 真理子、三浦 しをん、宮部 みゆき。

 

芥川賞 宇佐見りん「推し、燃ゆ」

芥川賞を受賞したのは、宇佐見りん「推し、燃ゆ」(文藝 秋季号)。

宇佐見りんは初ノミネートで、かつ19歳・大学2年生という若年での受賞となった。これは綿矢りさ(19歳11カ月で受賞)、金原ひとみ(20歳5カ月で受賞)に次いで史上三番目の若さである。

受賞作である「推し、燃ゆ」は、あるアイドルのファンである女子高生が主人公の小説である。アイドルの起した不祥事とその炎上をきっかけに、生活や世界観が揺らいでいく様子を緻密に描いている。

 

直木賞 西條奈加「心淋し川」

直木賞を受賞したのは西條奈加「心淋し川」(集英社)。こちらも初ノミネートでの受賞となった。受賞作の「心淋し川」は、江戸のある長屋に住む町人たちの群像劇となっている。長屋に住む一人一人の背景を丁寧に描き、人間関係を暖かく重厚に描いた作品となっている。