十一章 セイレン

ユリシーズを読む人々の肖像(第12話)

松尾模糊

エセー

239文字

二〇世紀文学の金字塔『ユリシーズ』を発刊一〇〇年経った今、読みながら綴る日常。

『オデュッセイア』のセイレーンと呼応し、カノン式のフーガのように語られるこの章は、まさに詩人としてのジョイスの本領発揮といったところか。女給二人の会話に、サイモン・ディーダラスによるピアノの伴奏、オノマトペが多用されているのも印象的だ。

 

ブルームがレバーとベーコンのフライ、マッシュポテトを食しながらボイランとモリーの情事を想像するというのが面白い。四章「カリュプソ」で初登場したときも朝食の準備をしていたが、今回は食べる場面。こちらはいくらか食欲をそそる描写である。

2023年12月2日公開

作品集『ユリシーズを読む人々の肖像』第12話 (全14話)

© 2023 松尾模糊

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