カネと介護

プルーストが読みきれない(第5話)

高橋文樹

エセー

7,619文字

介護には金がかかる。本章では、カネと時間という厳粛な人生の指標について私の経験をもとにした情報を共有する。

「地獄の沙汰もカネ次第」という言葉があるくらいなので、当然この世の沙汰もカネ次第である。本章では親の介護において、一般的にどれぐらいのコスト(つまりお金と時間)がかかるものとされているのか、そして、私の母の場合はどうだったのかについて説明したい。先にまとめてしまうと、以下の話題を取り上げる。

  1. 平均的な介護期間と年間あたりの金額
  2. 親の資産を把握し、何年も持つか予想する
  3. 銀行口座の凍結を防ぐために家族信託の利用も検討する
  4. 母の収支決算

最初に断っておくが、あなたは中年として仕事や家庭で金銭的管理をしており、「自分はお金のプロである」と自負しているかもしれない。しかし、あなたが相続や介護のプロでない限り、基本的には素人だと思っておいた方が安全だ。人生でそう何度もない「親の介護」という大イベントの経済面にズブの素人として向き合う謙虚さを忘れないでおこう。

私たちに予想される介護の終わり

そもそも親の介護期間というのはどれぐらいなのだろうか。親に持病がある場合は先述した『ビジネスケアラー 働きながら親の介護をする人たち』の著者のように、三十年という超長期にわたることもあるが、ここではあくまで平均的な例をもとに考えたい。二〇二五年問題は喫緊の課題なので、政府のほかシンクタンクや研究期間が統計情報を発表している。公益財団法人生命保険文化センターの発表「リスクに備えるための生活設計」では次の通りに平均像を結んでいる。

介護を行った期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均六十一.一カ月(五年一カ月)になりました。四年を超えて介護した人も約五割となっています。

私の母は介護生活が始まってから四年で亡くなってしまい、これは私にとっては「早い」という印象だった。なぜなら、パーキンソン病が寿命に与える影響もわずか(一、二年程度)という情報を書籍で読んでいたからである。しかし、こうして統計と比べてみると、それほど特殊な例ではないことがわかる。介護期間四年以上の人(三十一.五%)と十年以上(一七.六%)の人もけして少数派ではない。私の母は介護期間の短いグループに属していたのだろう。とはいえ、これから介護を迎えるあなたは、介護開始当初の私と同じように、十年以上の介護生活がかかるもの、と悲観的に考えておいた方がよさそうだ。

また、同発表では介護期間にかかるお金についても次のようにまとめられている。

なお、介護を行った場所別に介護費用(月額)をみると、在宅では平均四.八万円、施設では平均一二.二万円となっています。

私の母の場合だが、在宅介護でも月九万円ぐらいかかっていた。毎日ヘルパーと訪問看護のどちらかにきてもらってデイケアにも入る、となると、それぐらいだ。生活費はそこに含まれていない。住宅ローンは払い終えていたので家賃は必要なかったが、食費や光熱費はまた別途かかった。うろ覚えだが、十二万ぐらいはかかっていた印象がある。これを年額にすると介護費用は年間約百五〇万程度だ。そうすると、十五年の介護期間があったと超悲観的に考えた場合、二二五〇万円がかかる。両親が健在なら、合計で四五〇〇万円だ。麻生太郎が二〇一九年の副総理時に「夫婦の老後資産として三〇年間で約二〇〇〇万円が必要」との金融庁報告に触れて叩かれたが、現実を見ているとそれほど間違った調査報告ではない。

ちなみに「健康寿命」という概念も存在するが、これはアンケート方式で「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という回答に「ある」と回答したことを基準に算出されている。主観的な判断が含まれるので、必ずしも介護期間の参考にはならないことを留意しよう。

なんにせよ、いまあなたの両親が健在だったとしても、介護費用が発生しないことに賭けようとは思わないことだ。

寿命を数える

私たちの親世代の主な収入は年金である。もしかしたら、自営業で元気に働き続けている人もいるかもしれない。なんにせよ、親の収入がどれぐらいあるのかは確認しておこう。私の母は国民年金だったので月額六万円。また、国民年金基金(年金上乗せをできる基金)を積み立てていたので、プラス三万円の九万円が毎月の収入だった。繰り返しになるが、年金基金は母の超ファインプレーだった。

私たちの世代には年金制度の将来性に懐疑的な人が多いだろう。現行制度下での六十五歳支給はおろか、七十五歳で支給されるようになるのでは、と恐れている人も多いはずだ。しかし、私たちの親世代では、国民年金満額で一人当たり六万円程度、一般的な厚生年金のサラリーマンと専業主婦の家庭なら夫婦で二十万円程度(つまりひとり頭十万円)が支給されているはずだ。この年金額がある程度多ければ、介護状態になっても経済的にピンチになることはないだろう。

 

ところで、あなたは親の年金額が実際にいくら振り込まれているか知っているだろうか。具体的な金額を知らなければ、確認しておいた方がよい。一人親世帯なのか? 厚生年金と国民年金のどっちなのか? 私はケアマネが初めてついたとき、年金額を伝えたのだが、そのとき「それなら大丈夫ですね」と言われたことをよく覚えている。私は祖父母の年金額を聞いていたので、母の年金がずいぶん少ないと思っていたのだが、私たちの親世代で要介護を受けている人のうち、五万円以下の人は多いらしい。なんでも、特定の時代まで住宅購入や結婚資金などの任意のタイミングで年金の払い戻しを受ける制度があったそうで、その制度を利用した人は年金額が五万円を下回ることも珍しくないらしい。あなたの親がそうした制度を利用していたことを要介護になってから知るのは避けたいものだ。

 

また、親の資産についても詳しい額を聞いておいた方がよいだろう。資産といっても色々ある。預金・有価証券・不動産など色々だ。有価証券はよいのだが、不動産は金額が大きい上に動かしづらい(たとえば、売却すると大きな資金が手に入るが住む家を失うなど)という特徴がある。

たとえば、親が一般的なサラリーマン家庭だったとして、一戸建ての自宅といくばくかの貯金が総資産だ、というケースを考えてみよう。夫婦で二十万円の年金が出ており、そのうち父親が七〇代のはじめに要介護となり、特養に入ったとする。母親が自宅近くがよいというので、月十四万円のところになったとしよう。母親の年金は残った月六万円である。そのまま倹約して生活できればよいが、ここで母親も介護が必要になり、あなたが「せっかくだから夫婦で同じ特養に入れてあげたい」となったとする。あなたの母親はロングショート(短期滞在を繰り返すシステム)なので、少し高めの月十六万円となる。二人合わせて三十万円だ。年金額は毎月十万円たりない。で、この十万円はどうするのだろう? 年間百二十万円が減っていく。両親の貯金は世代の中央値と同じで一六〇〇万円だとする。持って十三年といったところ。自宅を売却するとしたら、千二百万円の値がつくようだ。では、この介護生活は何年続くのだろう? 平均の五年間だとして六百万円がかかる。では十五年続いたとしたら?

 

私たちは親の資産を予想される介護年数で割って、何年もつかを考えなければならない。足りなければ基本的には民法の規定(直系血族及び兄弟姉妹の扶養義務)に従って子供であるあなたがまず扶養義務を負うことになる。できればこれは避けたい。経済的に余裕がない世帯にとってはもちろん負担だろうし、多少の余裕はあったとしても子育て世帯の場合は親の介護に金銭的負担が発生した場合に子供と親を天秤にかけるケース(親を遠方の特養に入れるか、子供の私立進学を諦めるか)はありえるだろう。こうした「介護経済のワーストシナリオ」についてもよく考えておくべきだ。

難しいのは、こうした話を親とできる間柄か、という点だ。私の母はこうした話をしても「いろいろと考えてくれている」と頼もしく受け止めていたようだが、そうでないケースも身近に見た。「そんなことをいまから話すなんて縁起が悪い」といったネガティブな反応だ。

これに関して私がアドバイスできることはほとんどないのだが、ファイナンシャル・プランナーなどの第三者を入れて話すのが効果的かもしれない。ちなみに、ファイナンシャル・プランナーは無料相談を受け付けるところが多いが、その場合はなんらかの金融・保険商品の営業をすることが無料相談の原資となっているので、介護に詳しそうなファイナンシャル・プランナーに有料相談を受けた方がよいだろう。料金も一時間で一〜二万円程度なので、将来的なリスクを軽減できると考えたら高くない。もちろん、無料相談でも真摯なファイナンシャル・プランナーはいるだろうが、当たり外れを避ける労力にお金を払った方が楽な場合が多い。

親を禁治産者にしない

介護の期間と金銭的負担を一生懸命算出したあと、私たちは別のリスクに備えなければならない。加齢によって私たちの親の多くは認知症になる可能性があるが、認知症になると民法に記されている「契約遂行のための意思能力」がないと判断され、銀行口座などが凍結されてしまうのである。また、不動産売却についても同様で、親本人が契約をできそうにないと判断された場合は不動産会社も売買契約を結ぶことはない。つまり、認知症になった親は自分で自分の財産を自由に管理できない「禁治産者」とされてしまうのだ。

フランス文学を学んだ私などは、アルチュール・ランボーやシャルル・ボードレールなどの放蕩の限りを尽くした詩人が禁治産者に認定されたことから、なんとなくかっこいいように感じてしまうのだが、この「禁治産者」は現在法律用語としてほとんど利用されていない。私は二十年ぐらい前に警備員のアルバイトをしたとき、「禁治産者でないこと」というチェック項目が誓約書に書かれてあることに驚いたのものだが。とにかく、実際に親が禁治産になったら者笑い話にもならない。凍結された銀行口座の解除には数ヶ月以上かかることも多く、成年後見人、つまり財産を管理する第三者を指定してもらい、面倒なプロセスを踏む必要が出てくる。親の介護で書かされまくっている書類の束に、まったくジャンルの違うものがどっさり追加されるのだ。『親のリスク(週刊東洋経済eビジネス新書 No.163)』では「親が認知症になり、子供が介護費用を立て替えたが、親の死後に相続したら相続税が引かれた」という例が紹介されている。もっとも、相続税が引かれるほどの財産、つまり基礎控除(三千万円+相続人の人数×六百万円)以上の財産があるなら金銭的に苦労することはなさそうだが、手続き上の不備によって国庫に財産を召し上げあげられるのは嫌なものは嫌である。

 

「どういうときに親が認知症だと認められて口座が凍結されるか」について私は想像すらできなかった。病院で認知症の診断を受けたら銀行に連絡が行くような仕組みにはなっているのかと思いきや、病院には守秘義務があるので、そんなわけはない。もっと思いもつかないようなシンプルな理由で発覚するのだ。あなたが銀行に電話をかけて「認知症になってしまった親の口座からお金をおろすにはどうしたらいいですか」と正直に聞いてしまったり、親が銀行の窓口を訪れて明らかに認知症と認められるような行動をとってしまったり、というのがよくあるケースだ。

私の姉が介護のはじまりに心配したのもこの「認知症による口座の凍結」で、色々情報収集をした結果、家族信託という制度を利用することになった。金の話を書いておいてなんだが、私にはこの発想がまったくなかった。通院やウンコや徘徊の世話で精一杯で、そこまで頭が回らなかったのである。これは身近に別の視点を持つ人がいた方がよいという一般論にできるかもしれない。

家族信託について箇条書きで説明する。

  • 家族間で公正証書として信託契約を結び、親の財産を受託者(この場合は私)に任せることができる。受託者は信託財産を管理する主体となる。
  • 信託の対象となる信託財産は不動産・口座など具体的に指定する。一部の財産だけを介護用の信託財産に指定する運用も可能だ。
  • 信託口座という種類の銀行口座が存在し、親が認知症であるないに関わらず、子どもが親の口座を管理できる。信託契約を結んだ直後、こちらにある程度集約しておいた方がよいだろう。
  • 税金の納付情報を財務書に問い合わせるなど、財産に関する行政上の手続きも行うことができる。たとえ窓口で断られたとしても、証書の写しを見せれば納得してもらえることが多い。

こうしてみるとメリットが多いが、もちろん注意すべき点も存在する。

  • 基本的には行政書士・司法書士が関わって作成する契約なので、けして安くない。五十万〜百万円ぐらいはかかる。
  • 契約は公証人が署名する公正証書の形で締結するため、あとからは変える場合に再び費用がかかる。遺産相続についても遺言書と同じ効力を発揮するので、内容を慎重に決定しておこう。契約内容にバッファを持たせる(たとえば、相続財産の取り分については相続人同士の協議の余地を持たせるなど)ことも検討しておこう。なお、そこまで気が回るか回らないかは行政書士や司法書士によってスキルの差がある。法曹関係者のスキルの違いについて判断基準を持ちえない私たち(持っていたらそれで飯を食える)にできることは、複数の箇所に依頼することだ。その人がいい人そうかどうかとは別に、複数に依頼をして話を聞き、提案内容に違和感がないかどうかを見極めよう。
  • 家族信託というのは普及しはじめた制度なので、この制度自体を知らない会社・行政機関、担当者も多い。たとえば、銀行の窓口にいってこの制度について尋ねたところ、窓口の人が支店長を呼び出し、その支店長もよくわからない、ということもありえる。
  • 会計報告義務があるので、特に信託口座の出し入れについては記録しておく必要がある。私は仕事柄こうした書類仕事にある程度慣れているが、不慣れな人にとっては苦痛かもしれない。

私の母もこの制度自体について知らなかったので、公証役場で家族信託に署名するときかなりうろたえていたが、それも無理はない。公証人という存在に人生ではじめて会ったのだから。公証人といえば、一九世紀フランス文学によく出てくる謎の職業ぐらいだというのが私の認識だった。だが、制度の仕組みを調べるとある程度わかる。家族信託というのは、家族という特別に強い個人間の契約に法的なお墨付きを与える制度である。

 

では、家族信託に代わる制度はあるのだろうか? まず第一に挙がるのが成年後見制度である。これは成年後見人(本来は契約主体になる成年=あなたの親の後見人)を指定することができる制度で、では誰が後見人になるのかというと、私たちではなく弁護士などの専門家だ。となると、当然料金がかかる。だいたい月契約で三万〜六万円以上、要するに弁護士サブスクである。先述した家族信託五十万円からという値段には「高いな!」と思うのが一般的な感覚だろう。しかし、サブスクにすべてを賭けるには、介護期間はあまりに長い。私は現在、ネットフリックスなどのサブスクサービスを大量に利用しているが、これらはいつでもやめることができる。それに引き換え、弁護士サブスクはおいそれとやめることもできないし、そもそも金額が高い。こう考えると、家族信託もそれほど高い金額ではないだろう。

 

ちなみに、私と母が家族信託を締結した二〇二一年には、それほど一般的な情報ではなかったろうが、今はだいぶ普及しているし、ネット検索でも山ほど情報が出てくる。そのほとんどが成年後見制度との比較記事なので、主にこの二つが取りうる法的な手続きなのだろう。親が年間百万円の非課税贈与枠を使って少しずつ子供達(私たちのこと)に資金を提供しながらそれを介護費用の原資とする、という一般的な税制を利用した方法もないではないが、現金の豊富な一部の家庭に限られるだろうし、税制度に詳しくない方が付け焼き刃で採用することはお勧めしない。

母の人生の決算

私は母の介護費用について最初の一年で次のような計画を立てていた。これは私が概算計画を立て、姉に報告して了承を得た。

  • 年間収支は年金から介護費用を引いて、大体二十万円ぐらい赤字になっていく。
  • 保有する現金預金を考えると、二十年は持ちそうである。五百万弱の現金預金は、母世代の一般家庭としては少ないが、独り身世帯としては標準的である。やはり、シングルマザーは社会的に弱いのだ。
  • もし現金が底を尽きたら、不動産を処分して介護費用に充てる。

この基本方針で介護を行なったところ、四年の介護生活で次のような結果になった。

  • 現金預金は残った。葬式代・墓石代などを含めてトントンといったところ。つまり、子ども達が介護費用を負担することはなかった。
  • 不動産はそのまま残り、二人の子供に相続された。

こうしてまとめると、母は子供達に負担をかけず、綺麗さっぱり亡くなったような印象を受ける。もちろん、私個人としては多少不動産を食い潰してでも母に長生きして欲しかったが、すでに起きてしまった事実を数字だけで判断すると、親として立派だったと思う。私もいつか死ぬだろうが、その時には少なくとも子ども達にはなんらかの財産を残してやりたいものだ。たとえそれができなくても、願わくば子ども達に金銭的な負担をかけないようにしたい。

私の母の場合は以上のとおりだ。振り返ると、私の母は自分の財産にあまり頓着しておらず、子ども達の意見に素直に従った。親子の仲が良かったことも奏功しただろう。その意味で、「特に問題がなかった」の一言でまとめられてしまうので、肩透かしを食らったように思う読者もいるかもしれない。金銭的な問題については、本章の内容はあくまで参考事例の一つとしてもらうぐらいがよいだろう。たとえば、「全然参考にならない」と思う読者の反応には次のようなものがあるのではないか。

  • 親の年金は月五万円で預貯金もないので参考にならない。
  • 親との関係が壊滅的に悪く、話し合うことも難しく、そもそも介護自体をしたくない。
  • 子供はおらず、独身なので、親の介護に自分の預貯金をすべて切り崩してもよいと思っている。

こうした私の経験とは異なるケースについて、私からの適当なアドバイスは控えておく。あなたが直面する介護という壮大な物語は、やはりあなただけのものなのだ。

介護生活には、収支決算報告書めいた結果以上のことが存在する。それでも、そろばんを弾いてなんとかなる部分についてだけは先に把握しておいてほしい。あなた自身の未来を守るためにも介護のコスト算出を今すぐ始めておこう。

2025年1月14日公開

作品集『プルーストが読みきれない』最新話 (全5話)

© 2025 高橋文樹

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