ゼツ

合評会2020年11月応募作品

諏訪真

小説

7,367文字

小さなエゴと、大きなエゴの話。
11月合評会テーマ「ノスタルジア」応募作品

故郷のことを聞かせろよ、と唐突にネロが言った。咄嗟のことだったのと、寝苦しくて機嫌が悪かったので考えるより先に「覚えてない」と、ゼツは言った。

「全く知らないなんてこと無いだろう」とネロは食い下がる。

「生まれた土地のことなんて知らない」

「何も知らないなんてことは無いだろう?」

ネロが何を聞きたいのかがよく分からなかった。

「育ったところのことしか覚えていない」

「そういうのも故郷っていうんじゃないのか?」

「どうだっていいし、どっちにしろ話したくない」

ゼツは寝返りをうった。この部屋にはもうゼツとネロしかいないのに、寝床は同じベッドの上段と下段だった。下からネロの声が響いて鬱陶しいことこの上なかったが、寝床を変えろというともっと面倒なことになるのでそのままにしていた。

「じゃあ俺の話を聞けよ」とネロは一方的に話し始めた。

「切り立った崖と海、夜と霧の町、男はしょっちゅう漁で居なくなる町だ」

それから延々乾いた北の大地の話をし始めた。時折湧き出す温泉とか、人より多い羊の群れとか、真正面から照らし出してくる太陽とか。正直無視して寝てしまいたかった。

あらかたネロが話し終えて、なおもゼツの過去について食い下がって聞いた。

「どうして今頃になってそんなに聞きたがる?」

「明日誰かが死ぬかもしれない気がしたから」

「誰かとは?」

「分からない。俺かもしれない」

ネロは嘘をいったことがない。ネロの予感の根拠を知りたければ、自分の過去を話すしかなさそうだ。

ゼツは訥々と語り始めた。

 

親父と住んでた。実の父では無い。とっくに捨てられていた。

あの町ではレアアース採掘でいくらか仕事があった。親父はその現場の顔役でな。俺でも勤まる仕事はあり、俺に仕事を流してくれた。そして俺もよく働いた。その甲斐あって一応学校にも通わせてくれた。親父はそういう意味で結果さえ出しさえすれば後は何も気にしない人間だった。

ある日、見知らぬ子供を連れてきた。それがマリーだった。一目でこの辺の人間じゃないと分かった。この時は俺はマリーの出自も、どこからどうやって連れてきたかも興味が無かった。

親父は結果さえ出しさえすれば、何も口うるさくいわない人間だと言ったが、そういう意味でマリーとは折り合いが悪かった。あいつは家の中の仕事がてんで駄目な上、外で仕事をするにもマリーの体が耐えられなかった。鉱内の仕事などとても無理で、町でのパートも勤まらなかった。親父のマリーへの扱いは徐々に悪化していった。

それに正直にいうと、俺も最初の頃からある切欠まで、マリーのことが正直苦手だった。いや、寧ろ嫌いだったんじゃないかと思う。何故ならマリーもきっと俺たちのことが嫌いだったからだという気がしてたからだ。何よりマリーの肌の白さが嫌いだった。同じ太陽の下にいても赤く腫れてしまうほどの弱さが、憎たらしかった。

そんなマリーでも一応好意的に接してくれる人は居た。ダンっていう俺の現場仲間だ。こいつも中々に苦学生でな。ちょくちょく俺たちの家に来ている間にマリーにその気になっていた。マリーの方は本当に人と関わるのが苦手だったみたいだが、一年がかりでようやく家の外に連れ出せた。最も外に出るときは俺とダンといるときだけだったが。

そもそも親父がマリーをどこから引き取ってきたのかさえ知らない。遠い外国と言っていたが、多分お前の所ほどではないが、相当遠くから来たんだろう。髪色も目鼻顔立ちから何もかも違うんじゃ居心地が悪くてしょうがなかっただろう。数年一緒に居ても言葉も満足に話せなかった。

そもそも親父がどんな人間かというと悪人という訳でもなかった。仮にも行く当てのない俺たちを拾ってくれたという意味では恩人だ。現場でもよく慕われていたさ。実際マリーが来るまでは普通に生活をしていたしていた。親父に取って俺の存在が単なる労働力でしかかなくとも、別に俺が労働を提供し続けさえすれば問題ない。俺はそう割り切っていた。

ある日のことだ。仕事から帰ってみると、マリーが家に居なかった。家の中は滅茶滅茶に荒らされていた。親父はこめかみと指先に大きな怪我をしていた。どういうことかと当然聞いた。だが親父ははぐらかして何も答えない。躾だの何だの要領を得ないことばかり言った。察しの悪い俺でも、何が起きたかは明らかだった。俺はマリーを探して町を駆け回った。

マリーは俺たちの隠れ家にいた。そこは町外れの雑木林の中にあるバラック小屋を俺たちが改造したものだ。俺たちは大体いつもここでと落ち合う。マリーは顔中痣を作り、服も所々引き裂かれていた。俺を見ると強烈に慄いていた。こんな恐れられ方は初めてだった。俺はダンを呼んだ。三人交えてようやく事情が分かった。もうあの家に居ることは無理だろう、と。

それから暫くマリーをダンの所に預けた。家から出ることをあれだけ渋っていたマリーでも、この時ばかりは納得していた。

親父に怒らなかったかって? 無論怒ったさ。だけど、本音をいうと、あの当時のマリーには正直俺も何か得体の知れない不快感があった。俺にも親父にもまるで化け物のように接するときがあった。俺はいつも理不尽さを感じてた。こっちの誠意が何一つ通じないんじゃ、一体どうしろっていうんだ、と。

親父が何を考えてマリーを引き取り、そしてあの時どうしてマリーに乱暴したのかは分からない。あの後も親父に対して、俺がマリーのことをどう考えているかは別にして、どうやって落とし前をつけさせるか、その事だけを考えていた。別にマリーに特別な思い入れがあったわけではないし、親父に慈善事業を期待していた訳でもない。ただそうしないと、ダンが親父を殺してしまいかねないものを感じていたからだ。それに実際、親父は平然としていた。それについては俺も苛立ちを隠せなかった。ダンはさっさと行動を始めていた。

親父の件はすぐさま警察も動き始めた。参考人として俺も出頭した。だが、マリーは病院にすら行きたがらなかった。

暫く経って、落ち着き始めた頃だ。町に何かおかしいことが起き始めた。変な病気が流行った。気付いてるか。今俺たちがここに収監されている理由だ。鉱山から広がり始めたらしい。閉鎖までそれほど時間がかからなかった。伝染力そのものよりも労働力を根こそぎ奪うことが恐れられた。鉱山のお偉方や町の議連は方々の手を尽くして町の外に広がらないようにしてたけどな。結局は軍隊までやってきて町ごと封鎖された。そして俺もマリーも、ここに運ばれたというわけだ。

親父が死んだのはお前がここに来る前だ。ついに残ったのは俺とマリーだけだ。ダンはここでは見当たらなかった。どこでどうしてるかは全く知らない。俺が知ってるのはそれだけだ。

 

「なるほど。面白いね」と、話を聞いているのか聞いていないのかよく分からない反応を示した。

「聞いといてそれかよ」

ゼツは喋り終えてから何かが体が抜け落ちたような怠さを感じていた。でもね、とネロは言った。

「いずれ何かが起こるよ。だから改めて君らのことが知りたかっただけだ」

気に止めようとしても、ゼツは疲れて意識を失いかけていた。ああ、せめてエアコンぐらい入れろよ、と益体の無いことを考えつつ。

 

次の日、轟音で目を覚ました。ネロが既に起きていて、ゼツを見下ろしていた。

「何が起こった?」

ネロは何もいわず、窓を示した。外を見たら分かるだろ? とでもいわんばかりに。鉄格子越しに外を見た。火の手が上がり、絶え間なく爆音と振動が轟いていた。今更ながら、ここが軍の施設だったということを思い出した。

だが未だ理解が追いつかない。状況は理解した。とても危険だ。だが一番重要なのは何故そうなったかだ。ネロは横面をはたくように言った。

「呆けてないで、さっさと行くよ」

「行くってどこにだ」

「外に出るに決まってるだろ?」

まるでこうなることを予想していたような口ぶりに、ようやく昨日の夜のことを思い出した。問い詰めている暇はなさそうだ。どういう段取りか、既に鍵は開いていて、ネロは既に部屋を出ていた。ゼツは上着だけ掴むと部屋を飛び出した。

ネロは実験室の実験動物のケージを片っ端から開け、廊下にぶちまけていた。「火元の確認を」「どこが爆発した?」「防護服はもう無いのか」。全く事情が掴めていない研究員はここに来て完全に混乱していた。ゼツとネロが廊下を走り抜けていることにさえ気を止める様子も無かった。

「マリーの場所は?」

「分かってる」

ネロは真っ直ぐマリーの棟へと向かい、ゼツもそれに続いた。

 

マリーを連れて外に出ると、見知らぬ国の兵士が研究所を攻撃していた。その絵柄の余りの現実感の乏しさに呆気にとられていた。当然こちらも攻撃目標のはずなのに、何故かゼツは自分を招かれた傍観者だという根拠のない予感があった。根拠を求めるなら、きっと隣のネロがそうしていたからだろう、という経験だけだ。あれがネロの差し金だと、察しの悪いゼツでも理解していた。

「残りはもう焼却処分していい。データは全て押収した」

「非戦闘員については?」

「射殺を許可する」

ゼツは軍隊のやり取りを眺めていた。現実的な手順が行き過ぎて、非現実的に見えたことなんて、一度も経験したことがなかった。この先の麓に車を用意している。そこまで見つからずに行くよと、ネロはさっさと先に進んでいた。

 

研究所の外は草原だった。背の高い雑草が生い茂り、背を伸ばして立っていなければ十分隠れられるほどだったが、ゼツは深くしゃがみ、そのままの姿勢で全速力で駆けていった。マリーもネロが既に先に連れ出していたが、その事を気にも留めていなかった。

ゼツだけ遅れて車の停泊地に着いた。

「お前が回して」と、ネロがキーを投げてよこした。

「どこへ?」

「お前の故郷」

ゼツは聞いた。「何故?」

「お前に会いたい人がいるから」

 

ハンドルをゼツが握り、助手席にネロ、後部席にマリーが座っていた。研究所を離れたら、後はひたすら広大な平原が続いていた。対向車も殆どいない。走っている間、ひたすら沈黙が続いた。外の世界のことを考えたことは、一度や二度ではない。何かしらの奇跡を希うことはあった。だが、それはこういう形ではないし、何かから逃げる必要も無かった。何よりネロの掌の中にいるような気がするのが、最も不快だった。正直軍に追われている方がよほどマシだったかもしれない。

猛スピードで駆けていた。郷愁よりも、遮蔽物も殆ど無い広大な平原を、軍用車一台で走っていることが、ゼツには不安でしか無かったからだ。

やがてゼツは聞いた。

「お前の差し金かよ」

「そうだよ」

「研究所に収監されたのもか?」

「そう」

「何が目的だ」

「色々。俺たちから好き勝手に取ったサンプルとか、それもあるけど、第一は別さ」

「それが、待ち人か?」

「ついたら話すよ」

「ついたら、ってそもそも今どこ走ってんだよ……」

今はこの辺りだね、とネロが大まかな現在地を示した。ゼツには馴染みがないが、故郷から大きく離れた場所ではなかった。

「久々にさ、実家に帰ったらいいんじゃないの?」とネロはからかうように言った。

「何より手引してくれた協力者がいるんだ。君のよく知る人だよ」

「それは……」

「まあついてのお楽しみだね」

 

やがて国道はゼツがかつていた町へと続いていた。町の入り口は、予想していたとおりだが封鎖されていた。有刺鉄線を仮に乗り越えても、その向こうの土嚢は崩しようがない。かつてゼツ達第一波が隔離された後、何が起こったか想像も付きそうにない。

町の入り口に車を止めた。ゼツは耐えきれずに叫んだ。

「協力者って何だ? 後それ以外についても全部説明しろ」

「無論分かっているさ」

だが、何から聞けばいいのか、全く頭の中が整理されていなかった。

「いつものところで君を待っているってさ」

もうあいつしか思いつかなかった。5年前に行方不明になったダンのことだ……。向かおうとして、ネロが言った。

「これを持っていきなよ」と、軍用拳銃を渡してきた。いらないよ、とはいいつつきな臭さを感じてジャケットの後ろの腰に刺したまま出かけた。

「君の家で待ってるよ。用がすんだら帰ってきな」

 

埃だけが積もった馴染みのバラック小屋に、歳だけ取ったダンがいた。

「ゼツ……」とこちらを認めた。ゼツはこの再会に正直戸惑っていた。あまりに作為的に過ぎ、まるで前の別離すら作為ではないかと思えたからだ。

「どうしてた?」

「あいつから聞いたんじゃないのか?」と。やはりその作為を感じずにはいられなかった。

「何も」

「肝心なこと言ってないな、あいつは……」

「どこで知り合った、あいつと」

「あの日からずっと後だ」

「お前、あの時どうしてた? それがずっと気になってた」

「俺がおやっさんのことを保健当局にたれ込んだ。俺が優先的に検査されて、それで陰性だった。お前らみたいにモルモット扱いじゃないが、それでも国からは隔離扱いさ。軟禁生活中にあいつから訪ねてきた。マリーの居場所を知っているか? と」

「たれ込んだ? どういうことだ?」

「そのまんまの意味だ。察しろよ」

ふと、それ以上聞いてはいけない予感がした。背後でネロが嗤う声が聞こえたした。

「俺達をはめたのか、ダン」

「はめた、だと?」

ダンは視線をこちらに投げたまま、怒気を含めていった。

「俺に言わせたらお前こそマリーを捨てただろうが」

一瞬胸が詰まった。

「何であそこでお前は何もしなかった? おやっさんはなあ、マリーにあんなことしといて、まるでなんとも思ってなかったんだ。あの後俺になんて言ったと思う? お前がもらい手にでもなってくれれば、だぞ。俺はそこでおやっさんを殺さなかったことを今でも正直悔しく思ってるよ」

「分かってるよ……。分かってんだけどどうしようも無かったんだよ」

ダンは苛立たしそうに言った。

「ネロの素性を聞いた俺は、お前らが隔離された場所は知らないが、どこの町で起こったかとは伝えた」

「ネロの素性?」

「奴に直接聞けよ」

ネロのことは正直どうでも良かった。ゼツは今、怒りがダンに向き始めていた。

「で、全部吐いた訳か。親父のことも、マリーのことも。奴らにも、ネロにも。その結果、町一つ消えたんだぞ」

「おやっさんを放置してたらどの道同じことになってたさ、いや、下手したら国中に蔓延してた」

「単なるお前の憂さ晴らしだろうが」

「黙れよ。犬畜生親子が」

ゼツは何かが腹の底から湧き上がるのを感じた。何に対する怒りかもう分からなかった。父へのそれか、マリーか、それともダン、ネロに対しても、全てが憎らしかった。

ダンは銃を構えていった。

「お前だけはやはり俺がとどめを刺すべきだ。マリーを見殺しにしたお前は」

ゼツはとっさに腰の銃を取り出した。

 

「もう終わった?」

ダンの返り血を浴びたゼツに向かって、まるで「用を足してきた?」みたいな気楽さで聞いてきた。

ゼツは何も答えなかった。

「これからどうするか決めてる?」

一方的にネロは勝手に話し始めた。

「俺達はもうじきここを出るけどね。その前に一つだけ言っておきたいことがあったんだ。例の病気、この町から広がったみたいにいわれてるけど、違うんだよね」

「は?」と、思わず声が漏れた。

「お前は炭鉱内から漏れてきたとか、町の人が山から拾ってきたみたいに思ってる節があるけど、本当はそれ俺の村からなんだよね。気付かなかった? 何でマリーが頑なに君たちと接触したがらなかったか、とか。あるいは、ゼツのお父さんが、マリーに酷いことをした後から広がり始めたというタイミングとか」

それから先の言葉を聞きたくなかった。耳を塞ごうにも両手が持ち上がらなかった。

「そうだよ。マリーが感染源だ。俺も、俺の村もね。そしてマリーは俺の妹だ」

理解しがたさと、腹落ちすることと、それらが交互に襲ってきてゼツはもう全てを聞き流していた。

「どうする? 話を整理すると、マリーが元凶なんだけどさ。マリーも撃つ? ダンを撃ったみたいにさ」

ネロはもう勝手に喋り始めていた。

「じゃあもう一個話しておかなきゃいけないことがある。俺も一応食っていくために色んなことに手を出したが、結局食っていくには色々無理があってな、兄として情けない話だけど最終的に頼ったのはマリーだった。マリーに色々と働いてもらったよ。お前の想像する通りさ。そんな綺麗なな女じゃない。恐らくマリーが誰かから移されたんだろうね。ここまで聞いてどう思った? 俺も殺したくなったか? お前が妹にそんなことさせなければ良かったのにとか、あるいはさ。話を聞いてて思ったけど、マリーが酷い目に遭ったときに、ゼツがお父さんを殺してればね。恐らくここまで広がっても無かったんじゃないの? そして、ダンも殺す必要が無かった」

ネロは最後に一息おいてこう聞いた。
「改めて聞くけど、なんでそうしなかったの?」

ゼツはもう何も答えなかった。きっと考えようと考えまいと、重要な事柄はゼツを抜きにして勝手に決まっていくだろう、という予感があった。実際今までそうなってきているのに、それがここにきて突然変わるなんていうことが全く信じられなかった。

だがネロは答えを待っていた。ゼツはそのことにひたすら意地の悪さを感じた。やがてゼツは全てがどうでもよくなった。

「俺を撃て」と、ゼツは呟いた。

「嫌だ」ネロはゼツを見下ろしてそう言い残すと、マリーを連れて部屋を出ていこうとした。最後に振り返り

「勝手に生きて勝手に死ねばいいさ。どうしてそんなに自分勝手なんだよ」

後には立ち尽くしたゼツが残った。

「じゃあもう行くよ。きっともう会うことはないだろうけど」

 

誰もいない部屋で、ゼツは銃口をこめかみに当て引き金を引いたが、残りの弾はもう入っていなかった。

 

外はいつの間にか、日が落ちかけていた。

「さて、どこへ行こうか」と、ネロは独り言のようにいった。マリーは何も答えない。実際にネロは答えを期待したわけでもない。
「まずは俺たちの家に帰るか。それから後また考えるか」

と、道端に花が咲いていたが、二人が通った途端、花は音も無く枯れた。

 

そして再び花が咲くことは無かった。

2020年11月16日公開

© 2020 諏訪真

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"ゼツ"へのコメント 12

  • 編集者 | 2020-11-18 18:38

    字数がかなり超えているとは思うが(でも俺も文字数換算だと少ないか…)、中々面白い話だった。この世界に未来は無さそうに思えたが、それ自体がノスタルジーなのだろうか。

  • 投稿者 | 2020-11-19 08:38

    文字数がもりあがったなあとまず。はい。だいぶ盛り上がったんだろうなと。そのように思いました。終わらせたい。でも終わらないという感じの文体ではなかったので。ええ。これは盛り上がったんだと思いました。勝手ながら。
    あと、ネロが、どうしてそんなに自分勝手なんだよっていうのにしびれましたね。わが身にも応えました。うわあ!ってなりました。画面からグーパンされたみたいな感じになりました。ざわざわしました。

  • 投稿者 | 2020-11-20 06:27

    これは物語ですね。だんだんと小さなエゴと大きなエゴの正体が分かっていく感じがよかったです。長いけどクセのない文体なのですらすら読めました。

  • 投稿者 | 2020-11-20 23:40

    ストーリーや世界観は十分に練られたものであることが伝わってくる。現実のコロナ禍にリンクしているようなしていないような架空の伝染病もとてもいい。

    ネロは事情を全部知っているのに、どうしてゼツにこんなにも長い長い昔話をさせたのか? 回想部分が映画のトリートメントのように単調なので、集中力が途切れがちな私は読むのがしんどかった。作者自身もこの部分を読み返すのがしんどいのか、誤記も何か所か見られる。もっと視覚的なシーンの描写や、語りのひねりを盛り込んで面白く読ませる工夫があるとよいと思う。

    あと、前半ではダンはいい仲間だったはずなので、後半のダンの言動や、彼が死んだあとネロが平然としている点が全然ピンとこなかった。ここらへんの話の内容もよくわからない(これは回想部分で消耗した私の理解力が下がりまくっているだけかも……)。

  • 編集者 | 2020-11-20 23:49

    淡々とした文体なので長さの割にスラスラ読めました。ただ、ダンを殺害する場面まであっさりしていたのが少し拍子抜けしました。どちらかと言うとネロ、もはやゼツよりもネロに作者の思い入れがあるように感じました。そういう意味で長い話の冒頭のような印象も受けました。

  • 投稿者 | 2020-11-21 16:25

    どこの国のお話なのかなあ、ネロとゼツ、マリー、ダン、で、マリーとネロは白人らしいし。未来か過去のどこか遠くの物語と合点するまでにちょっと時間がかかりました。
    ハメられたと思ったら相手も誰かにハメられていて、さらにそれを操る人間がいて。伝染病が蔓延して社会が衰えた行く末を見せられたようで、「二人の歩いた後は花も枯れる」ラストがしみじみ辛く感じられました。

    • 投稿者 | 2020-11-22 10:44

      長さを感じさせない読みやすさでした。
      絵が浮かぶだけあって、主人公たちの年齢が気になりました。
      また、見落としかもしれませんが、ネロの行動原理がいまいちよくわかりませんでした。
      あと「きっかけ」が「切欠」になっているのは誤変換でしょうか?

  • ゲスト | 2020-11-21 18:27

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  • 投稿者 | 2020-11-22 00:15

    ダンは、ゼツがマリーのことを見殺しにしたと言っているけれど、それはおやっさんを殺さなかったという点ではダンも同じで、ダンの怒りの矛先がどうしてゼツに向けられるのかがよく分かりませんでした。二人ともネロに操られていたのかなと思いました。

    • 投稿者 | 2020-11-22 10:47

      申し訳ありません!
      誤操作で返信でコメントしてしまいました。
      修正方法が分からないので、こちらでその旨お伝えします。
      大変失礼しました……。

  • 投稿者 | 2020-11-22 12:23

    ひとつの物語でした。コロナを意識した設定の上にある、人と人との関係によって引き起こされるドラマを面白く読みました。すごいです。合評会の評価としては字数も評価項目に絡んでくるので難しい面はありますが、むしろ描写や表現を付け加え、1万字を超える作品として読みたいと思いました。

  • 投稿者 | 2020-11-22 14:59

    今の現実世界と関連した近未来的な世界観の話として読みました。ドラマ性を強く感じます。
    ノスタルジアが緩やかに絶望に呑み込まれていくような感じでしょうか。キャラクターの名前の由来が気になります。

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