花蝶風月

渡海 小波津

小説

2,633文字

日本古来より美しいとされてきた花鳥風月を私なりに描いてみた。
随筆と小説を組み合わせの作品です。

~花蝶風月 ~

春の予感なのか、命の息吹なのか。風に揺れる姿に人の感情も揺れる、花の命は短いというが、その花を咲かせるまでの花の力強さたるや。雪の下で静かに耐える根性の図太さたるや。

女性の美しさを例える言葉として用いられることもよくあるが、その強さとは、時期が異なるのだ。花は咲くまでが強く、女性は実を結んでからが強い。花は散 り際が美しく、女性は咲き際が美しい。月下美人という言葉もあるが、月の下、一輪咲く姿は唯一、花と女性の共通するところではないだろうか。

一輪の蒲公英が咲いている。花の集まりであるそれを一輪と呼ぶことが正しいかは知らぬが、紋白蝶などそっと添えたなら、何と春の麗かさを演出できたことだろうか。

ふと気付くと、花を眺めていた私の先に、若い女どもが何やらこちらを、ちらちらち見ながら談笑しているらしい。私は屈めていた腰を伸ばし、気にせぬ素振りで大きく伸びをした。女たちはきゃあきゃあと言いつつ、それぞれの処へと散っていった。

残された私の傍らで、綿毛が今にも空へ散ろうとしていた。

 

________________________________

2012年7月14日公開

© 2012 渡海 小波津

読み終えたらレビューしてください

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

この機能は廃止予定です。

タグ

この投稿にはまだ誰もタグをつけていません。ぜひ最初のタグをつけてください!

タグをつける

タグ付け機能は会員限定です。ログインまたは新規登録をしてください。

作者がつけたタグ

---

"花蝶風月"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る