絶滅者 42

hongoumasato

小説

1,123文字

ついに清彦との死闘に決着がつく。

同時に「ワタシ」は、長年、藤堂一族本家を守ってきた管理者も”否定”する。

そして、母が地獄から解放され・・・

勝ったのは――生き残ったのはワタシだった。

 

勝因はただ一つ。

 

実戦経験。

 

知識と戦術、初期能力では及ばなかった。

 

でも、これまで破壊してきた人間達のレベルがモノを言った。

 

清彦は、無力な人間達。

 

ワタシは、警官・カルト集団・ヤクザ……。

 

強敵との死闘で、ワタシの破壊の練度は格段に上がっていた。

 

清彦は荒い息遣いで、床に仰臥している。

 

お互い、血まみれ。

 

ワタシも、立っているのがやっと。

 

それでも、清彦に歩み寄った。

 

止めを刺すために。

 

忌まわしい過去に、決着をつけるために。

 

「アンタ、クレジットカード会社の社長よね。『ご利用は計画的に』ってやつ? 本当は無計画に、ジャンジャン借りてほしいんでしょ」

 

倒れている清彦が、それでも薄笑いを浮かべ、ワタシを見上げる。

 

「親殺しは大罪だけど……君なら本望かな。愛する我が娘に、ね」

 

ワタシは清彦の下腹部で、日本刀を一閃させた。

 

清彦の生殖器が切断される。

 

これで「無計画」に、性交・妊娠させることは不可能。

 

清彦は口から泡を吹き、体を痙攣させている。

 

ようやく醜い爬虫類男から、卑しい笑みが消えた。

 

それは、母とワタシの解放の証。

 

苦しみながら、死なせる。

 

それでも母が受けた苦痛には、遠く及ばないけれど。

 

初老管理人が、散弾銃を構えていた。

 

「貴様! 清彦様を! いずれは藤堂を背負って立つお方を! お前ら母子は――っ!」

 

このチンケな管理人に興味は無い。

 

無視してワタシは尋ねた。

 

「教えてよ。なぜ急に一族は、母を爆弾扱いしなくなったの?」

 

「お前の母親のことなんて、どうでもよくなったからだ。清彦様のご尊父も、公共事業の発注激減で権力を失った。それに世界でビジネスを行っている藤堂グループにとって、過去の痴話話など、遺物もいいとこだ」

 

彼はワタシの戦いぶりを、見たばかり。

 

死ぬ覚悟はOKだろう。

 

北関東の奥地で、一日も休むことなく藤堂一族の本家を守ってきた初老管理人。

 

彼は今日を持って、その任を解かれる。

 

そして永遠の休息を得る。

 

形見に、散弾銃だけ貰っておこう。

 

納屋を出ようとした時、等身大の姿見の鏡にワタシが映っていた。

 

そこに映っていたのは、一二才の少女ではなかった。

 

醜く邪悪な異形のモノだった。

2019年2月23日公開

© 2019 hongoumasato

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