絶滅者 45

hongoumasato

小説

1,212文字

「ワタシ」の前に、SATですらアッサリと全滅してしまう。

業を煮やした政府は、日本最強の戦闘集団、陸上自衛隊・特殊作戦群を投入する。

そして「ワタシ」破壊のため、作戦群は突入し・・・

夜。

 

数多の星が夜空を彩っている。

 

ワタシ達を祝福する美しい光。

 

外には黒ずくめではなく、迷彩服を着た人間達がたむろしていた。

 

「(警察力で対応できず。ゆえに自衛隊出動。既成事実の積み重ね。それによる、なし崩しの軍隊化。遠回りだが、確実な人類絶滅への軌跡)」

 

清彦の言った通りか。

 

頭の片隅をチラリと、そんな考えがよぎる。

 

止めておこう、こんな素敵な夜に……。

 

次の瞬間、またワタシ達の聖域に、邪魔者達が侵入してきた。

 

表と裏のドアが爆破され、キッチンの壁も突入用に爆破された。

 

今度の邪魔者達は、迷彩服の人間達。

 

所持している武器は、SATより随分立派。

 

「こちら『チームα』! ポイントLに突入! ポイントクリアー……突入したSAT一個小隊は……全滅、全滅だ! ポイントLに全隊員の死体が横たわっている! SAT達の遺体の隙間から、藤堂家の遺体を視認! 数は……三つ! ターゲットの遺体は……無し! 繰り返す! ターゲットは確認できず!」

 

先程のSATより屈強な戦士達――陸上自衛隊の特殊作戦群。

 

日本最強。

 

そして、本当に日本最後の砦。

 

なのに、悲鳴を上げている。

 

頼りない。

 

しかも、騒々しい。

 

ワタシは、彼達を見下ろしていた。

 

天井には、手と足をかけられる場所が沢山ある。

 

でも弟は恐がりなので、この冒険ごっこには参加しないだろう。

 

ワタシは天井と体を結びつけているロープを包丁で切った。

 

ロープは、父が首を吊ろうとしたもの。

 

包丁は、母が手首を切ろうとしたもの。

 

ふわりと降り立つワタシ。

 

迷彩達は、顔に不細工なマスクをつけている。

 

だから表情は見えない。

 

でもその下の顔は、歪んでいるはず。

 

ワタシへの恐怖で。

 

死への恐怖で。

 

「否定」されることへの恐怖で。

 

 

迷彩達より先に、我が家に土足で入ってきたSATから、いくつか人間を破壊する道具を得た。

 

日本刀と散弾銃は、背中にロープで括りつけてある。

 

ワタシはすぐ、彼達の破壊を始めた。

 

招いた覚えの無い客には、早くお帰りいただく。

 

生きて帰るのは無理だが。

 

 

ほとんど破壊した。

 

虫の息の迷彩が一人、息も絶え絶えに、無線で報告している。

 

「こ、こちら、α……αは全滅。ターゲットはSATの武器により、さらに重武装。β突入の際は……」

 

ワタシは彼の頭に、鉛の弾を一発進呈した。

 

それで、静かになってくれた。

 

また、幸せな静寂が戻ってきた。

2019年2月24日公開

© 2019 hongoumasato

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