ハイブリッド型総合書店「honto」が、「2023年度 新成人が読んだ小説ランキング」を1月5日に発表した。

 hontoは大日本印刷株式会社(DNP)が丸善ジュンク堂書店、文教堂及びトゥ・ディファクトと共同で運営する。2012年5月にサービスを開始。ネット書店とリアル書店共通で利用できるhontoポイントサービスは、啓林堂書店、戸田書店(8店舗)、函館栄好堂 丸井今井店など全国各地のリアル書店を加え、現在約180店舗で展開している。

 hontoサービス実施店の丸善、ジュンク堂書店、文教堂などと、2023年度に新成人となる(2003年4月2日~2006年4月1日生まれ)のジャンル「小説・文学」における購買冊数のランキングを抽出。2022年12月1日~2023年11月30日hontoサイトで購入された書籍や電子書籍の販売データをもとに集計した。

 1位は凪良ゆう『汝、星のごとく』(講談社)。凪良ゆうは、2020年の調査「2020年 二十歳が一番読んだ小説ランキング」でも『流浪の月』で1位を獲得している。なお『流浪の月』も『汝、星のごとく』も本屋大賞受賞を受賞していて幅広い支持を集めている。

 2位『変な絵 あなたには、この絵の「謎」が、解けますか?』(双葉社)、3位『変な家 1』(飛鳥新社)はホラー作家兼YouTuberとして注目を集める雨穴の作品。『変な家 1』については、3月に実写映画公開が予定されている。

 4位は、夕木春央『方舟』(講談社)、5位に住野よる『恋とそれとあと全部』(文藝春秋)、6位に村上春樹『街とその不確かな壁』(新潮社)。6年ぶりの最新長編、新成人は『騎士団長殺し』発売時はまだ義務教育の年齢だが、彼らにとっても村上春樹の知名度は高いようだ。

 7位は結城真一郎『#真相をお話しします』(新潮社)、8位に多崎礼『レーエンデ国物語 1』(講談社)、9位に安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』(集英社)、そして10位は小川哲『君のクイズ』(朝日新聞出版)となった。

 成人年齢が18歳となって二年目の成人式を迎えた。今年はどのような小説が新成人に読まれるのか、来週には芥川・直木賞受賞作品が発表される。この辺りの作品も読まれるかもしれないが、ランキングを見ると恋愛、ミステリ、エンタメなどジャンル作品がやはり強い印象は受ける。