国立国会図書館が1月5日に、読書バリアフリーの推進に向けた、国立国会図書館障害者用資料検索(愛称:みなサーチ)正式版を公開した。

 みなサーチは、目の見えない・見えにくい、活字の図書を読むのが難しいなど、様々な障害のある人が利用しやすい形式の資料を探すことができるサービス。愛称の「みなサーチ」には、全ての人=皆(みな)にとって使いやすく検索しやすいシステムでありたい、という願いが込められている。

 2019年に「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)が成立。同法を受けて、翌2020年に策定された読書バリアフリー基本計画において、国立国会図書館はその一翼を担うことになっている。

 このことから、全国にある利用しやすい形式の資料を簡単に探すことができるシステムの整備、アクセシブルな書籍の数を増やすことが喫緊の課題となっていた。みなサーチでは、視覚に障害がある人、ディスレクシアの人、上肢に障害がありページをめくることができないなど、視覚障害者等の人が検索から資料の利用までを簡単に行えるように、ページの構造をシンプルにするなどの工夫を施した。昨年3月にβ版を試験公開し、障害当事者の声を受けて更に改善を図った。

 なお、全文テキストデータを、画像データの形ではデジタル化資料を利用することができない視覚障害者等の人に提供することにより、音声読み上げソフトなどを使って資料の内容を読み上げて確認したり、本文を点字で表示したりすることが可能になった。

 全文テキストデータをダウンロードすることができる資料は、1960年代までに出版された図書、2000年までに出版された雑誌を中心に約247万点に上る。今後は、1970年代以降の図書なども順次、テキスト化する予定。