1月15日夕方、日本で最も有名な文学賞である芥川龍之介賞・直木三十五賞の第162回受賞作が、東京・築地の新喜楽で発表された。

芥川賞選考委員は小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、堀江敏幸、松浦寿輝、宮本輝、山田詠美、吉田修一の9名。
直木賞選考委員は浅田次郎、伊集院静、角田光代、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、宮城谷昌光、宮部みゆきの9名。

・芥川賞

芥川賞を受賞したのは、古川真人の「背高泡立草せいたかあわだちそう」(すばる10月号、集英社出版)。2016年に新潮新人賞を受賞し、芥川賞には今回で4回目のノミネートとなっていた。今度の受賞作である「背高泡立草」は、長崎県の離島を舞台に、島と人の歴史が交差していく景色を描く。

 

・直木賞

直木賞を受賞したのは川越宗一の「熱源」(文藝春秋)。今回初ノミネートでの受賞となった。受賞作の「熱源」は、迫る理不尽な文明化に翻弄されつつも抵抗する樺太アイヌたちの姿を壮大なスケールで描いている。帯には「滅びてよい文化などない。支配されるべき民族などいない。」と記載しており、メッセージ性を強く打ち出している。

 

芥川賞候補となり一部で注目されていた千葉雅也「デッドライン」は受賞を逃した。今回の受賞作は下記でアマゾンにリンクしているので是非チェックして欲しい。