恋するひと

桐山キリコ

819文字

〈恋したひと〉

たとえば今

家まで会いに行けたなら

泣きやむまでずっと抱きしめるのに

 

傷ついてる君を

助けてあげられない

頼りにならない恋人でごめん

 

何回もきみを

不幸にしてしまった

僕を恨んでもいいんだよ

 

これ以上

傷ついてほしくなんかない

俺の為になんて泣かないでいて

 

きみの望む

理想の彼氏になるための

仮面の重さに動けなくなる

 

きみの背負う

悲しみを消してやれるなら

ぼくは悪魔にだってなろう

 

「会いたい」と

一言いってくれたなら

どこへだって迎えにいくよ

 

君となら

死ぬのも怖くないけれど

それよりもっと一緒にいたいな

 

まんまるの

うつくしい月眺めれば

「綺麗だね」の声きみを想うよ

 

きみのいない明日へ

繋ぐ夜が明け

残酷な朝日にすこしだけ泣く

 

そんな急に

強くなんてならないで

少しぐらい俺に背預けてよ

 

「行かないで」と

泣き疲れて深く眠る

やさしい寝顔にさよなら告げる

 

かんたんに

「あたしなんて」と言わないで?

それでもキミが大好きだけど。

 

〈恋するひと〉

お星さま

卑屈な彼女にもうすこし

自信を与えてあげてください

 

眠れない夜は

空を見てください

同じ星を僕も見るから

 

今まで出会った

誰より愛してた

きみの残した後遺症に泣く

 

延々と

フラッシュバックを繰り返す

きみの微笑に殺されそうだよ

 

執拗に検閲を

幾度も繰り返し

きみへの思いはぜんぶ伏字に

 

冗談と一緒じゃなけりゃ

「好きだよ」と

言えない自分に嫌気がさす

 

恋人になれば

いつか別れるから

ずっといちばんの友だちでいよう

 

恋でなく

そんな一時の熱でなく

呼吸するよにきみを想うよ

2012年2月14日公開

© 2012 桐山キリコ

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