廊下

朔の日

434文字

君はどの君?

僕はもう君の知らない僕だよ

きっと

もう君も僕の知らない君なんだろうね

そういえば

憶えているかな

まだ僕らが中庭の窓から

頭がやっと出て

外の桜の木が

綺麗に咲いていた頃

君が「貸して」と言ったキーホルダー

僕は頑なに断っていたよね

ねえ

憶えている?

別に貸したくなかったわけじゃないんだ

まして

君のこと嫌いだったわけでもない

そうあれは君のせいじゃない

そんなの分かってるって顔だね

ごめん

あれは君といつも一緒にいたあの子に

理由があるんだ

気付いてないかも知れないけれど

僕はあの子が好きだった

そんなあの子が首を横にふるんだ

毎回

君が「貸して」と僕に言うたび

毎回だよ

僕は好きな子に嫌われたくなくて

君にひどいことをした

僕は僕がいちばん大事だったんだ

君を傷つけたって

僕は傷つきたくなかった

君が泣くまでそのことが正しいと

思っていた

もういないんだ

そんな僕は

だから教えてほしいんだ

君はいつの君?

 

 

2017年4月3日公開

© 2017 朔の日

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