枯れた葉、落ち葉

朔の日

982文字

詩になれませんでした。ただの会話でした。

わたしは、悪い人間でしょうか?

おや、きみは良い人間だと?

そんな、良い人間だなんて畏れ多い。

というと?

悪い人間ではない、と思うのです。

では、中途半端な人間ということで。

なぜです、なぜそんな意地悪をいうのです?

意地悪?

ええ、真剣に話しているわたしをからかったでしょう。

からかうなんてとんでもない、至って真剣ですよ。

やっぱり。

真剣ですよ。

嘘はいいです、あなたの嘘はもう飽きました。

きみはさっき、自分が悪い人間か聞きましたよね。

ええ、あなたは下らないと思っているみたいですけど。

なぜです?

答えをだしてくださらなかったもの。

違います、なぜ聞きたいと思ったのかですよ。

それは、色々あるからです。

おや、これまた抽象的な。

構いません。

きみの質問は抽象的すぎるのですよ。理由もまた然り。

なんです、説教ですか。

いいえ、真剣に答えるにはきみの心を知らなければと。

やっぱり。

ああ、はじめから真剣ではありますがね。

不安になったのです。

将来に?

分かりません、何が不安なのかまでは。

それではぼくが、不安になりますね。

ただ、わたしが間違った人間のような気がしてならないのです。

ほう、興味深い。

なんです、興味深いなんて。

そうひとつひとつに反応しなくても、良いのですよ。

申し訳ありません、悪い癖だと自覚はあるのですが。

気になって仕方がない、と?

ええ、相手の心を先読みしては突っかかり。

相手の言葉や視線の真理を知りたくなる?

ええ。

それで、きみは何を望んで何を得たのです?

わたしへの悪くない印象と、よく分からない不安です。

全く、期待はずれだったのですね。

もう少し、上等なものを。

そうか、きみは悪い人間だ。

え?

きみの相手は、鏡だもの。

急に、どういうことです?

写し鏡ですよ。

それは今、関係ないでしょう。

きみ、相手にまず否定的ですよね。

そんな。

きみが相手を否定的に見る限り、悪いままですよ。

話が見えないのですが。

きみがまず相手を受け入れなくちゃあ、相手も受け入れないということです。

ああ、よく言う人間関係は写し鏡ってことですか。

ええ、まさに。

月並みな助言、感謝致します。

おや、また機嫌を損ねてしまいましたね。

ええ、まったく。

ぼくは、きみの鏡なんですからね。

あなたは、わたしの鏡ですものね。

2017年11月9日公開

© 2017 朔の日

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