この世で最愛で最低な君へ

この世で最愛で最低な君へ(第19話)

実琴

小説

919文字

人を愛する事が出来ない事に惰性していた私が初めて人を愛した人は優しくて最低な人でした。堕ちていく…愛に憎悪に

好きになるかもしれないと淡い気持ちを抱いて付き合った人と別れた。

その人はずっと泣きっぱなしだった。その人には最低な事をした、それはわかってる。

でも私は今、他の人を好きになってしまった。第一印象は挨拶しない奴。

なのに話してるうちに彼が気になり目で追うようになって、話せるとその日は1日幸せだった。なんで?どこが好きなんだろ?自問自答しても答えなど出なくて、彼と一緒に居る事が嬉しくて堪らなかった。

これが人を好きになるという事なのだろうか?

でもこの時の私はまだ人を好きなること愛すること、それを完全に理解はしていなかった。

恋愛は幸せもあれば辛い事もある事を私はまだわかっていなかったのだ。

 

とりあえず、私は大田さんに

『彼と別れた』

とメールを送った。

メールを送るとすぐ返って来るのにその日はメールが返って来なかった。

忙しいのだろうと思い、その日は眠りについた。

 

次の日、起きて携帯電話を確認すると

『昨日はごめん!今日会えないかな?』

と大田さんからメールが来てて飛び起きた。

『休みだから全然会える!』

と送った。

するとすぐに

『これから準備して迎えに行くから待ってて』

と返ってきた。

『了解!』

と送り、私は身支度を始めた。

身支度をしていると

『後5分ぐらいで着く』

メールが来たので、ちょっとのんびり身支度していたが急いで準備をした。

『着いたよ』

とメールがきた。

早いと思いつつも私は準備出来てる。

「行ってくる」

とママに言うと

「挨拶ね」

とまた言われた。

「わかってるよ、じゃあね」

と言って私は家を出た。

外には彼の車があった。

私はもう別れてるから後ろめたさないけど…彼からは何も聞いてない。

大丈夫なんだろうか…一瞬不安が過ぎる。

昨日メールの返事がなかったこと、今日朝早くメールして迎えに来てくれた事。

これはどっちなんだろうか…

少し戸惑いながらも私は車のドアを開けた。

「おはよう」

と彼は笑顔で言ってくれた。さっきまでの不安が飛んで行くような笑顔で。

「おはよう」

「色々話したいからまた家でのんびりでもいいかな?」

「あ、ああ。うん、大丈夫」

「お酒買ってあげるよ」

とお酒に釣られてしまった。

そして私は彼の家に2回目の訪問をする事になった。

2022年3月4日公開

作品集『この世で最愛で最低な君へ』第19話 (全28話)

© 2022 実琴

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