すじがねいりなの。

飽田 彬

小説

14,345文字

凍てついた世界に敢然と挑む雪子さんの一夜。

そして雪子さんは帰ってきた。

首都圏の某庁舎内ビュッフェに勤務した三十年間、帰郷したことは一度もなかった。思えば不思議なことである。

つつがなく職を辞した夜、やれやれと雪子さんは吐息を洩らした。

……さて、これからどうしようかねえ、ミイちゃん?

写真のなかのミイちゃんと雪子さんはしずかに寄り添い、やさしいまなざしで見つめあっている。ミイちゃんはもういない。二十一歳を目前にした空っ風のころ、午前三時という時刻を選び、雪子さんに別れを告げたのだ。

三毛猫のミイちゃんはもういない。そして雪子さんは明日から庁舎内ビュッフェに出勤する必要がない。

……それじゃ、これ以上ここに居てもしかたないじゃないの。

住みなれた狭い部屋をざっと眺め、雪子さんはあっさり移住を決意した。三十年前には想像すらできなかったことだが、多少の貯えもあった。これからの人生を考えると、むこうへ戻ってつつましく暮らすのがいちばんじゃないかしら。きっと残りわずかな昔なじみ、みんなびっくりするでしょうけど……

ふいに百々野の表情が胸をよぎる。

……ま、どうでもいいわ。

心に浮かぶ顔はいまだに若々しいけれど、あいつだってとうに還暦を過ぎている。おたがい過去は遠い夢の夢。あの男はいま、どこか辺鄙な町にでも埋もれているのだろうか。まるっきりわからないし、そんなことはもうどうでもいい。ほとぼりは醒めたということだ。わたしはわたし。昔なじみの街で、ひとり生きていこう。せいぜい自由に、のんびりやっていこうじゃないの。

思いのほか深く根を下ろしていた暮らしを整理し、こまごました精算に月日を費やした。『ついのすみか』選びにも慎重に吟味を重ね、幾度もかよったすえ値ごろで小ざっぱりした中古マンションをそれと定め、ようやく移住の段取りを完了したのは寒風吹きすさぶころだった。

そして雪子さんは故郷の土を踏んだ。

空港に降り立ったときは思わずすくみ上がり、ゾッとしたみたいに眉根を寄せた。無情な雪片が頬を刺し、捨て鉢みたいな寒気が全身を苛んだ。なにもかもが流刑地じみた色に染まる初冬のことだった。

……そりゃ長い人生、こんな日だってあるわよ。

陰鬱な気分をまぎらすため大好きなキャラメルマキアートを楽しんだのち、ゆっくりした足どりでタクシー乗場に向かった。こちらをみて頷いた運転手は、なんとなく亡き父親に似た面差しの男だった。雪子さんは一瞬躊躇したものの、ままよとばかりに乗り込むとシートに背をあずけ目的地を告げた。今夜は記念すべき移住第一夜である。ちょいと贅沢してタクシーでホテルに乗りつけ一泊し、明朝満ち足りた気分で新居へ繰り込む算段だ。

……お客さん、観光かい、おひとりで。

軋んだ古タイヤみたいな響き。運転手は声まで亡父そっくりだった。寒々しい不意打ちに雪子さんは小さく舌打ちした。「しばらくでねえか、ゆっこ」……馴れなれしい過去という名の亡霊。雪子さんは思わずぎゅっと目を瞑り、かぶりを振った。きっと性格も父親そっくりに違いないわ、この男。しらふのときは気弱なくせに酒が入ると気が大きくなりトコトンだらしなくなるタイプよ、絶対そうだわ。過去という名のおぞましい悪霊。三十年前、父娘の縁を切った。その後野垂れ死にのように逝ったことを風の便りに知ったのみ。酔った父親の表情やしぐさ、語り口が饐えた綿埃みたいにのたり・・・漂う。

……なんてこと、いまだに虫酸がはしるわ。

ゴキブリに出くわしたみたいに身震いする。ああ、いやだ。「たいした、しばらくでねえか。なして、いままで戻らなかったんだ、え、ゆっこ」。なんて厚かましい、気色悪い亡霊。そういえば酔っぱらうたびに何度も聞かされた吐き気を催すあの話、あれはいったいなんだったのだろう。いまだに理解できない。あんな不気味な昔語りが、あの男にとってはご自慢のひとつだったのかしら。

亡き父親の父親、すなわち雪子さんの祖父は博徒であったという。雪子さん自身は祖父の顔を知らない。

……俺の親父、澱八郎はな、内地じゃかなり名の知れた大親分でな、そりゃ剛毅な男だったのよ。それがあるとき、でかいでいり・・・に巻き込まれちまってよ、双子の弟の氾九郎と一緒に斬ったはったの大立ち回り。なんでも五、六人ばかり斬り捨て、十人以上は半殺しの目にあわせてやったそうだ。まったくたいした双子よ。したけど氾九郎のやつがぶっすり返り討ちにあっちまってよ。自分も追われる身になった澱八郎は、氾九郎の骨箱抱えて逃げに逃げ、とうとうしょっぱい・・・・・まで渡っちまったそうだ。この世の涯てまで来たからにゃもう大丈夫ってんで、ほっとして骨箱んなか覗いてみたらよ、氾九郎のお骨め、汚らしい血膿んなか、えへらえへら笑いながら泳いでたつうから、そりゃ親父もびっくらこいたべさ。おまけに、なんべん洗っても、氾九郎のお骨は薄ぎたねえどろどろに染まったまんまだったそうだ、なんべん洗っても、な……

ちなみに新天地に根を下ろした澱八郎はその後ふたたび頭角をあらわし『骨抱えの澱八』なる勇名を轟かせたのだという。酔っぱらった父親は得意気に上唇をぺろりと舌でぬぐったものだ。

おお、薄気味悪い。むごたらしいバカ話。酔うたびに得々としゃべりまくって。あんな男がじつの父親だったなんて、いまだに信じられないわ。自分自身はヤクザにすらなりきれず、もちろん真っ当な暮らしなんかできなかった人間のクズ。なんて恥ずかしい。でももう大丈夫、金輪際あの男に会うことはないんだわ。だって、とうにこの世にいないんですもの。もうあんなヤツのせいでイヤな思いをすることもないんだわ。

……え、お客さん。

運転手がミラー越しに視線を投げている。

……顔色が悪いよ、大丈夫かい。こっちの寒さは応えるっしょ。

……なにいってんの。わたしはもともとこっちの人間なの。三十年ぶりに帰ってきたのよ。この程度の寒さなんか、へっちゃら。記憶のなかの寒さはもっと酷かったわよ。

はやくも陽の落ちた窓外は雪色に染まっている。いつのまにか、しんしん、しんしん白魔がすべてを覆っている。じっと目をこらすと、尊大そうな雪片のいくつかには、あらかた宙に散っていた塵のごとき時代の吐息めいた記憶までが混じっている。

……あのときも雪まみれだったわ。

三十年前。すべてに疲れはて、なにもかもイヤになった雪子さんは衝動的に夜行列車に飛び乗り、我にかえると壊別に降り立っていた。ひっそり死んだような生まれ故郷の町には、強いられた忘却臭が染みついていた。くりかえし見る夢のまま、昔なじみの小高い丘にひとり立った。あのとき、想いみだれた雪子さんは丘の大樹のもとで暗い森を見つめていた。歩け、ですって? だれかが耳元で囁いている。歩け、歩くのだ、いつまでも、どこまでも、ですって。ええ、いいわよ。どこまでも歩いてやるわ。ええ、こうなったら歩いてやるわよ、いつまでも、どこまでも。森へつづく小径はいつのまにか大雪に呑み込まれていた。雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪また雪。この途方もない大雪はいったいどうしたことかしら。この世にはもはや雪より他は存在し得ぬのかしら。上も下も右も左も雪。それ以外の色彩は遥か遠い過去の亡骸。黒犬を提灯にする雪の道。むかしのひとはうまいこといったもんよね。どこまでも暗澹たる雪空、どこまでも茫漠たる雪原にはついに力尽きて墜ちた鳥どもが穿った穴点々とその跡を留めるばかり。風に削られた雪が針と化し雪子さんの頬を刺す。ああっ! 百々野のやつ。ああっ! どいつもこいつも……たびかさなる災厄に疲れきった瞳にはもはや涙も涸れはて何ゆえ数多の不幸や悲運わたしこのさきも幸福なんぞ望めそうにないのかしら。けっ、不幸がどうした幸福でなければ生きてゆけぬというのか、自分を叱りつけ、ひたすら雪を払い除け、そうしなければ雪に呑まれ、おのれ自身さだかでなくなるのよ、この世から消し去られてしまうの、ほれ雪子、手を停めてはたちまちちこのクソったれ雪に埋もれてしまうぞ、ただひたすら手足を動かしつづけ雪を払い除けなくては、誰の目にもとまらず、おのれの存在そのものすら掻き消されてしまうのよ雪子ったら、ええい、このクソったれ!

ホワイトアウト……あのときの雪子さんは遭難寸前だった。一歩まちがえたら凍死するところだった。いまとなってはおぼろな記憶だけど、すんでのところで夢でよく逢う老媼があらわれ安全な場所へ導いてくれたのだ。あのとき、あのひとがいなければ、わたしはとうに死んでいたのよ、ああ怖ろしい。それにしてもいまだに謎だわ。あのお婆さん、どうしてあんなところにいたのかしら。しかもお婆さんたら「名前だあ? わしの名なんぞ訊いてどうする。おまえさんは過去のわし、未来のわし自身じゃろうが」ですって。なんて不思議なお婆さん。それともあれは生死の境でみた幻覚だったのかしら。やっぱり夢だったのかしら。いずれにせよ気づいたらわたしは朽ちた駅舎にひとり座っていた。わたしは生還した。あのとき、ほんの紙一重の差で、わたしは死んでいたかもしれないんだわ。くわばら、くわばら。いま生きて在ることの大いなる歓びと安堵が薄桃色の芳香となって胸中に立ちのぼる。今日たったいまから新しいわたしの人生がはじまるの。もいちど北国の女に戻って、これからの人生、せいぜい楽しくやっていこうじゃないの。

……お客さん、三十年ぶりじゃ、アイスバーンの怖さなんか忘れてるべさ、え?

運転手はふたたびミラー越しにこちらを窺っている。こずるそうな笑顔はやはり亡き父親を彷彿とさせた。

案の定、性格も父親そのものね、この男。みずから誇るものなど何ひとつ持たないくせになぜか自慢したがりで、いつも他人を小バカにした薄笑いを浮かべる、こすっからい男。ああ虫酸が走るわ、大っ嫌い。むかしっから冬はツルツル道路と相場が決まっているじゃないの。三十年ぶりに帰ってきたとはいえ、そんなこと忘れちゃいないわよ。ちゃんと最新モデルの冬靴履いてきたんだから。そりゃ雪道歩くのはひさしぶりだからきっと一度くらい滑っちゃうかもしれないけど、ひょっとしたら一度くらい転んじゃうかもしれないけど、そりゃ転んだら痛いでしょうけど、そりゃあ運悪く打ちどころがまずかったらちょいと打撲傷負うくらい有り得るけど。でも冬道の歩き方はこの身体が憶えているから大丈夫。すぐに慣れるわ。こっちの人間なら当たり前のことよ。こうみえても、すじがねいりの北の女よ、わたし。え? そうね、むかしと違っていまの車はチェーンやスパイクじゃないのよね、スタッドレスでしょ、スタッドレス。ええ知ってます。そうよね、いまはむかしよりものすごい、まるでスケートリンクみたいなツルッツルの路面になっちゃうのよね、ええ知ってるわよそれくらい、ええ三十年間離れていても、いまはいろんな情報あるから情報社会なんだからわたしネットだってできるんだからその界隈じゃちょっとした有名人なんだから伝説の『yuki@パリピ』こそ誰あろうこのわ、それはともかく、ちゃんと予備知識としてそれくらい知ってます、ええ、ええ知ってます。ええええ伊達や酔狂でこっち戻ってきたわけじゃないんだから、あらいやだ、この男。ひとの話ちゃんと聞いてんの?

 

その一、できるだけ靴の裏側全体を路面につけて歩くべし。

 その二、できるだけ小さな歩幅でそろりそろり慎重に歩くべし。

 その三、ヒザから下は垂直に地面へ降ろし、身体の重心はやや前方へかけて歩くべし。

 

……これが冬道で転ばないための歩き方三箇条ってやつよ。死にたくなかったら体裁なんか気にしちゃだめだよ、お客さん。ツルツルに凍った道路歩くのは命がけだからね。ウッソじゃないって。おれ内地から来たお客さんには必ず教えてやってんだわ。クッソ寒い路上ですっ転んで頭打ってくたばっちまうなんて、ま、あれ以上ハンカくさい死に方ないもんね。あとさ、お客さん、街なかじゃロードヒーティングの切れ目に注意したほうがいいよ。なまら滑りやすいから。それと車道と歩道の境目だな、うん。あ、まてよ、かんじんなこと忘れてたわ、路面がさ、なんちゅか乾いてるように見えてもさ、なんちゅか、うっすーく凍ってるとこあんだわ。あっれが、いっちばん危ないの。そ、そそそそそ、ブラックアイスバーン。こないだもさ、よたよた歩いてたババアずってーんて転んでさ、頭打ってさ、そのまんま身動きひとつしないの。おれ目撃しちゃったもんだからさ、しょうがないから営業車停めて救急車呼んでやったんだわ。あれ、あのババア、なまらひどい転び方だったもんなあ、痛かったべなあ、みじめだよなあ。したからね、お客さんもさ、気ぃつけたほうがいいよ。ツルツル路面歩くときはさ、おれが教えてやった三箇条ちゃあんと守ってさ。ま、したけど、あれよな、いっちばんいいのは、冬は一歩も外に出ないことだな、そしたら、みっともない転び方してクソ寒い路上で死んじまうことないし。なにがハンカくさいって、あれくらいハンカくさいくたばり方ないもんなあ、ぶっははははは。しっかしまあ、お客さんもまた、なーにが悲しくて、よりによって、こんなクソ寒い時期になんか帰ってきたのさあ、ぶっはははははははははははははははあ。

 

シャワーを浴びたあと、一日三本と決めている煙草に火を点け、ホッとひと息つく。

ようやくひと心地ついた。が、まだまだ怒りはおさまらない。雪子さんは真赤に火照った顔でホテルに到着したのだ。

……なにさ、あの運転手。ほんとにイヤなヤツだったわ。

耳に残るバカ笑いを断ちきるように、煙草をぎゅっと灰皿に押しつけ窓辺に立つ。眼下の街は美しいイルミネーションに彩られている。雪はほとんど降りやんでいた。車列がのろのろ行き交い、黒子のような人影が交差点を渡っていく。みな一様におぼつかない足どりにみえた。冬が始まったばかりで、まだ雪道を歩くのに慣れてないのね、まるでヨチヨチ歩きみたいだわ……ふいに怒りがよみがえる。なにが冬道で転ばないための歩き方三箇条よ、ふんっ、あのバカ運転手。どうにも、いまいましい気分はおさまらない。記念すべき帰郷第一夜だというのに。

眼下のイルミネーションが温かくきらめいた。禍々しい寒風がときおり光を蹴散らしていく。

……ちょっと歩いてみようかしら。空港からまっすぐホテルへ乗りつけたから、まだ一歩も雪道を歩いてないんだわ。ひさしく遠ざかっている新雪の感触。しばらくぶりに雪の上を歩いてみたいわ。きっと気分が晴れて、せいせいするわよ。

 

粉雪がしずかに舞っている。

イルミネーションがまぶしいホテル前の歩道は、ロードヒーティングのためほとんど雪はなかった。ほうきで掃き集めたような白いベルトがわずかに建物の陰に吹き溜まっているのみ。肩をすぼめた人びとが足早に通り過ぎていく。かなり冷え込んできた。三十年間まったく縁のなかった寒気に、雪子さんは一瞬ひるんだものの、すぐに甘やかな感傷に溺れた。

……三十年ぶりですもの、むりないわ。

目の前の歩道はどこまでも雪は積もっていない。雪子さんはしばらく迷ったのち、右へ向かって歩きだした。冬靴が無骨な金属音を響かせる。

……はやく新雪の上を歩いてみたい。

雪子さんの心は幼な子のように弾んだ。ふいに粉雪まじりの烈風が頬を刺す。

……うぐっ。これでいま何度くらいなのかしら。

鼻腔の奥をつんざくような寒風にちょっぴり涙がにじんだ。その涙には、あらかた宙に散っていた塵のごとき時代のかすかな記憶が混じっていた。

冥府じみた壊別の冬……角巻き姿の母親に手をひかれ酒屋へと走った暁闇。あのとき。そう、あのとき呑んだくれの父親が、酒がない、はやく買ってきやがれと荒れくるったのだ。とびきりシバレる早朝は酒樽のなかの水分が凍ってしまう。アルコール分は凍らないので酒の上等のところだけが樽の上部に滲みだす。シバレた朝に量り売りを買うと極上の酒が呑めるのである。雪道を何度も転びながら母娘は走った。毎度のことながら仏頂面の店主にぺこぺこ頭をさげ、なんとか酒を手にいれた。骨の髄まで冷えきった母娘が家路につくと、父親は一升瓶をひったくり、そのままひと息に呷った。ねぎらいの言葉ひとつなく、ルンペンストーブを抱えるように、ずぶずぶ、朝っぱらから呑んで呑んで、呑みつづけるのだった。あんな男がじつの父親だったなんて、いまだに信じられない。お母さん、どれほど苦労したことか。

……いいことなんか、ひとつもなかったわ。

食いしばった歯のすき間から白い息が洩れだす。幼いころのみじめな記憶。イヤなこと思いだしちゃった……

にぎやかな交差点にさしかかった。

交差点だけは、だれもが歩みを緩め足もとを気にかけながら慎重に向こう側へ渡っていく。いきなり、ひとりの男が雪子さんに手を差しだした。なにかを手渡そうとしている。ポケットティシュかと思い反射的に受けとったが、それは一枚のチラシだった。コートのポケットにそれをねじ込みながら、ふいに眩しさを感じて目をやると、ネオンを反射した路面がさまざまな色彩を映し出していた。赤、青、黄……てらてら、てらてら横断歩道が照り輝いている。雪子さんは思わず歩道の縁に立ちすくんだ。

……なに、これ。みごとに凍っているじゃないの!

うまく渡れるかしら……逡巡する間に、たくさんのひとが雪子さんを追い越していく。寒風に混じる幼ない喚声。小さな女の子がまわらぬ舌で母親になにか訴えながら通り過ぎた。赤い帽子、赤い手袋、モコモコに着膨れた女の子。

……そういえば、いまごろチドリちゃんはどうしているかしら。歌が上手だった幼なじみのチドリちゃん。よくいっしょに歌いながら雪の上を転げまわり遊んだものだった。ふたりとも雪眼で涙をぽろぽろこぼしながら、まるで子犬みたいに雪原を転げまわったわ。いくつになってもチドリちゃんのことだけは暖かくて懐かしい思い出だわ。そういえば、あの子の父親もとんでもない呑んだくれだったっけ。お酒のせいで亡くなり、チドリちゃんとお母さんは壊別を去っていったんだわ……

横断歩道のなかほどで、さきほどの女の子が足を滑らせた。間一髪、母親が小さな腕をひっぱりあげ、女の子は転ぶのを免れた。

……ひっ。

歩道の縁に佇んだまま雪子さんは大きく目を見開いた。あぶないところだったわ。もし転んでいたら大怪我を負ったかも。あんな小さな子が。母娘は何ごともなかったかのように通りの向こうへ消えていく。禍々しい動悸をしずめるため、雪子さんは何度も深呼吸した。凶暴な冷気が肺を侵し、寂寥感じみた悪寒が全身を駆けめぐる。

……どうして、みんな、平気な顔してるの?

にぎやかな交差点は一時も人通りの絶えることがない。白い息を吐く集団がひっきりなしに行き交う。立ち止まっているのは雪子さんとチラシ配りの男だけだ。と、いきなり季節はずれの軽装の若者が立ちつくす雪子さんにぶつかった。ババァ、こらッ。若者は舌打ちし、こちらをにらみつけながら行き過ぎる。

……ババァですって? なにさ、このッ。

チラシ配りの男がこちらをふり返り、すぐにそっぽを向いた。

なぜともなく、雪子さんは遠い十五の冬を思いだしていた……逐われるように壊別を離れ、たどりついた都会の細民街での暮らしがはじまった。お母さんはそれまで以上に必死で働いた。雪子さんも勤めに出た。遊びたい盛りなのになんの楽しみもなかった。父親だけは相変わらず酒浸りの毎日だった。この街へきてからも苦労ばかり。貧乏暮らしに病んだお母さんの声がよみがえる。

……世間ってとこはなあ雪子、たった『あいうえお』で片づくとこだなあ。よっくおぼえとけよ。あさましくて、いんけんで、うっとうしくて、えげつなくて、おっそろしい。世間てのは、つくづく『あいうえお』なとこだ。

とはいえ、お母さんほど世間に気をつかい世間の顔色を窺いながら生きたひともいなかったように思う。じつのところ、お母さんにとって世間が至上の規範だった。なにかというとせけんさまが、せけんさまが、がもうひとつの口ぐせだった。そんなときはまるで『せけんさま信仰』みたいだったわ、お母さん。

追憶に立ちつくす間に信号は何度もその色を替える。雪子さんは意を決し横断歩道へ一歩を踏みだした。そろり、そろり……できるだけ靴の裏側全体を路面につけて歩くべし、できるだけ小さな歩幅で慎重に、ヒザから下は垂直に地面へ降ろし、それから、えっと、身体の重心はやや前方へかけて、と……

あともう二歩ばかりでロードヒーティングの効いた歩道へたどりつく寸前、両足が宙を掻いた。つぎの瞬間、雪子さんの臀部は哄笑めいた衝撃に軋んだ。あまりに理不尽な激痛と驚愕に、悲鳴など出ない。

……ワタシ、ドウシタノ?

滑ったのね。性悪そうな夜空に恨めしげな一瞥をくれ自答する。

……転んだんだわ。

何秒あるいは何分うずくまっていただろう。

凍りついた路面の非情な感触。目線の高さを行き交うとり澄ました冬靴たち。なぜかのんびりしたクラクションのフーガ。

ずいぶん洒落た都会になったのねえ、この街も。雪子さんはふいに笑いだしたくなった……この街の中心部は遺跡の宝庫。おそるおそる身を起こし、ゆっくり右足を前に出し歩道を踏みしめてみる。よかった。歩けそうだわ。骨は折れてないし、大きな怪我もないみたい。お尻を打っただけでよかった。もし後頭部なんか強打してたら、いまごろは……

煌々と明るいファストフード店の前で、恰幅のいい白鬚の紳士が微笑んでいた。雪子さんはにっこり笑みを返し、頑丈そうな肩にもたれかかり、ひと息ついた。ごめんなさいね、しばらく肩を貸してくださる? 気持ちを落ち着かせたいの。この街の中心部は遺跡の宝庫。どうして、こんなときに思いだしたのかしら。おかしいわね。貴方もおかしいでしょ、ねえ大佐?

知りあった当初、百々野はみずからを考古学研究者と称した。……雪子さんはきっと知らないだろうな。この街の中心部はね、じつは遺跡の宝庫なんだよ。あの銀行やデパートや大きなビルの下にはたくさんの遺跡が埋まっているんだ。縄文から続縄文、擦文、アイヌ文化に至る、とても重要な遺跡群がね。それらを発掘できたら、現在の通説を覆すような大発見に繋がるかもしれない。だからぼくの夢はね、あんなビルなんか軒並み叩き壊しちまうことなんだ。百年前のすがたに戻すのさ。乱暴で子どもっぽい夢だろう、おかしいかい? でも、ぼくはなんとしても、いずれ自分のこの手で遺跡群を発掘してみたいんだよ。

……おかしいわよね、大佐。

にこやかな白服の紳士と雪子さんの眼前をたくさんのひとが通り過ぎていく。クラクションの音に混じり救急車のサイレンも聞こえてくる。

……そういえば、大佐って、なにじん、かしら。もちろんベルギー人ってわけないわよね。

ポール・デルヴォー……雪子さんの瞳は、まるでデルヴォーが描く女性のようだな。デルヴォーというのはね、ぼくの大好きなベルギーの画家なんだよ。いつか雪子さんにも本物を見せてあげたいな。ふたりでベルギーへ行ってさ。ええ、わたし富貴堂でデルヴォーてひとの画集を見つけたわ。わたし、あんな大きな瞳をしているかしら。なんだかウソみたいな、まるで悪ふざけみたいな眼をしていたわよ、画集のなかの女のひとたち。親父に反対されなかったら画家の道にすすんでいたかもしれないな、ぼくは。給料日には必ず返してね、きっとよ。大学というところはね、いろいろ足の引っ張り合いがあってね。わたしだって貧乏人なのよ。まったく陰険なもんさ。かつかつなのよ。あんな薄給でどうやって研究をつづけたらいいんだろう。これを渡したら今月どうやって食べたらいいのかしら。今度学会があってさ、考古学というのはね。お母さんが寝込んじゃったの、わたししか稼ぎ手がいないのよ。デルヴォーというのはね。こないだのお金いつ返してくれるの。すまじきは宮仕えってやつさ。ねえ、いつ返してくれるのよ。研究費が。お母さんが。こんな薄給じゃ夢も。いつ返してくれるの。あともう少しで教授。ねえ、いつ返して。遺跡の宝庫。ねえ、いつなの。デルヴォーの瞳。ねえ、いつ。百年前のすがたに戻すのさ。

サイレンの音がひときわ大きくなる。

ファストフード店から出てきた女子高生たちが店さきの雪子さんに気づき、いっせいに悲鳴をあげた。うわあ!

……だいじょうぶ? おばさん、顔が血だらけだよおっ。

どうやら鼻血らしい。道理でぬるぬるすると思ったわ。きっと転んだとき鼻を打ったのよ。若い子はおおげさね。雪子さんはティシュを探してコートのポケットをまさぐった。出てきたのは一枚のチラシだった。なにこれ。

 

知っていますか? 

 最も転びやすいのは六十代のあなたです。

 転んだときのことを考え、帽子・膝サポーターを身につけましょう。

 

いやねえ。こんなもの街頭で配ってたの。大きなお世話ねえ。

 

光が反射している路面は要注意!

 新しい雪でツルツル路面が隠れているところも要注意!

 

不快な運転手の顔が脳裏をよぎる。なにさ、ふつふつと怒りがよみがえるじゃないの。

 

昨冬、中心部で転倒して救急車で運ばれた人は、なんと百人近く!

 転倒したものの大事に至らなかった人は、その五倍強と考えられています。

 朝九時~十時と夕方五時以降の時間帯は特に注意して下さい。

 

チラシを畳んでポケットに戻し、にこやかな大佐に別れを告げる。さよなら、もうホテルへ帰るわ。なんだか今日はバカみたいな一日だったの。

さきほど雪子さんが転倒したあたりに救急車が停まり、野次馬が集まっていた。胸がドキドキしてきた。きっとだれか転んだんだわ。わたしと同じところで。ちょうど担架に乗せるところだった。身なりの良い中年男だった。かすかにうめいていた。雪子さんは息を呑んだ。男の頭部は血まみれだった。転倒した際、歩道の縁石にぶつけたらしい。

……酔っていたのね、きっと。

ネオンを美しく反射するツルツル路面に、もうひとつの色彩が躍っていた。てらてら、てらてら、毒々しい色。

雪子さんはしゃがみ込み、両手で顔を覆った。

……血。どろどろ。えへらえへら。泳いで。親父もそりゃびっくら。お骨。汚らしい。血膿。

なんとか嘔吐を堪えた。手がぬるぬるする。雪子さんの両手は血だらけだった。

洗っても。氾九郎の。薄ぎたねえ。どろどろ。なんべん洗っても。血膿。

……はやく、ホテルへ帰らなきゃ。

でも、こんな交差点は渡れないわ。だれがこんなとこ渡るもんですか。雪子さんは決然とかぶりを振った。反対側の通りを歩いて遠まわりして戻るべし。そう、光が反射している路面は要注意。はやくホテルへ帰らなきゃ。

あっ。雪子ったら、バカね。遠まわりしたってツルツル路面に変わりないじゃないの。でもご覧なさいな、案ずるより生むが易し、ほうら、こっちの横断歩道は凍っていないわよ。南側だから? 風向きのせい? どっちでもいいわ。とにかく乾いた路面なんだから。とにかく渡れたんだから。ううっ寒い。でも一難去ってまた一難。あともうふたつ道路を横切らなければホテル前の歩道、あのロードヒーティングの行き届いた歩道にたどりつくことはできないのよ、雪子っ。さむっ。おお、いやだ。鼻をすすると血の味がするわ。血。骨箱を開けてみたらよ。澱八郎が。まっくろ。どろどろ。汚らしい。血膿。お骨。えへらえへら。

……バカっ!

がんばれ雪子、横断歩道あとふたつ。こんなときは、テンションあげて自分自身を奮い起たせるのよ。あとふたつ。あとふったつぅ。信号が青に変わった。ほらごらん。この横断歩道も凍ってないわ。アスファルトむきだし。すいすい、すいすい歩けるじゃないのさ。ふふん。おおっ寒い。ずいぶん冷えてきたわね。さあ、あとひとつよ。つぎの通りを渡りきれば、ホテルはもうそこ。さあ、テンションMAXで行くわよっ。最後のコーナーをまわってラストスパート、直線です。雪子っ、ゆっきこっ、あっとひっとつ。ぶるるっ。

最後の信号待ちだ。

イルミネーションきらめく広い通りの向こうにホテルが屹立している。雪子さんは凛々たる決意のまなざしで懐かしいホテルを見あげた。がんばれ雪子。イルミネーションのぬくもりも見守っている。眼前の横断歩道がそのきらめきを映し出している。イルミネーションの温かい光を美しく反射している。てらてら、てらてら……雪子さんは慄然と歩道の縁に立ちすくんだ。

……ツルツルじゃないのっ!

しかも、さきほど転倒した交差点の倍ほども幅のある広い道路だ。それが一面スケートリンクのように、鏡のように、怜悧に光り輝いているではないか。

いったいどうしたらいいのよ。もう泣きたくなっちゃう。どうしたらいいって渡るしかないじゃないの。それともあと戻りする? 同じことよ。どっちにしろツルツル路面を渡りきらなきゃホテルへ帰れないのよ。それじゃ横断歩道ひとつぶんタクシーに乗る? バカね。そんなこと、できるわけないじゃない、このわたしが。じゃ、だれかに、おんぶしてもらう? あ、あなたってひとは。これからさき、この街で余生を送るのよ雪子。そんな弱虫でどうするの。そんなことでこのさきどうやって生きていくのよ雪子、このバカっ。だいたい、なんでそんなにツルツル路面が怖いのよ。さっき転んだから? 痛かったから? 鼻血出したから? 血。そう、血まみれの男をみたからよ。そうよ、頭から血を流して倒れていたのよ、こんなクッソ寒い路上で。とても現実とは思えないわ。まるで非文明的だわ。だれだって怖いに決まってるわよ。でも、みてごらん。みんな平気で歩いていくじゃないの。だれひとり怖がっちゃいないわ。そりゃスタスタ歩くひとも、ヨチヨチ歩くひともいるけれど。つまりは歩かなきゃどこへもたどりつけないのよ。そうよ青なのよ。青になったのよ信号が。だれだって向こうへ渡っていくじゃない。それぞれの目的地へたどりつこうとしているじゃないの。青信号みんなで渡ればあたりまえ。しんとう滅却すれば火もまたツルリ。ままよ。ゆけっ。雪子。なむさん。ええい。行かねばならぬ。行かねばならぬのじゃっ。

小さな歩幅でそろり、慎重に第一歩を踏みだす。

……そうよ。つまさきや踵で歩こうとするから転ぶのよ。靴の裏側全体を路面につけるように心がければいいのよ。あとはゆっくり、ゆっくり。けっして焦らないことだわ。スローモーションのように歩けばいいのよ。しずかに忍びの者のように歩けばいいのよ。いまのわたしは『くのいち』よ。うしろのひとが追い越したって、いいじゃない。すれちがうひとがびっくりして仰け反ったって、いいじゃない。信号待ちの車のひとが爆笑してたって、いいじゃない。わたしはわたし。いのちには換えられないわ。そう、そして集中。転んでしまったのは余計なことを考えていたからなのよ。歩くことだけに集中するのよ、集中。

今季いちばんの寒さのなか、雪子さんの額はうっすら汗ばんでいた。

ほら、ごらん。もう少しで中央分離帯。むかしから集中力には自信あったのよ。半分渡りきったわ。あともう半分歩けば、乾いた歩道にたどりつけるんだわ。

イルミネーションの光が雪子さんの額の汗を宝石のようにきらきら輝かせている。ふっと吐息がもれた。足腰がしびれている。集中しすぎて余計な力を込めたせいか。おまけに転倒したとき打った臀部がいまごろになってその痛みを増す。それだけではない。肩や背中も冷たい凝りにじんじん泣いている。ちょっとひと休みしようかしら。立ちどまって腰を伸ばしたいわ。いいえ、だめよ雪子。いま立ちどまったら、ふたたび歩きだせない気がする。凍りついた非情な道路のまんなかで立ちすくみ、永遠に氷の彫像になってしまう気がする。歩きつづけるしかないのよ、それしか生きていく方法はないのよ。いままでだって、つねに歩きつづけてきたじゃない。そうよ。あなたはなにがあろうと歩きつづけてきたわ雪子。どんな猛吹雪や激浪も必死に耐え抜き、けっして歩みをとめなかったわ。だからこそ、いまのあなたがあるのよ、忘れないで雪子。勇気をふりしぼり歩くべし。フレッ、フレッ、ゆっきこぉーっ。

前方から小柄な中年男がやって来る。

雪子さん同様、かなり難儀しながら歩いて来る。不気味に照り輝く路面を注視し、よちよち、こわごわ、こちらへ向かって来る。そのユーモラスな動きに、雪子さんは思わず噴きだした。ぷっ。そうとう臆病なひとなのね。かすかな優越感と同志愛にも似た感情が雪子さんの胸中に灯る。がんばれぇ、そんな歩き方じゃ信号の色が替わるまでに渡りきれないわよ。すれちがいざま、ふたりの視線が絡んだ。目を疑ったことに、男の表情には哀れみの翳が滲んでいた。

……だいじょうぶですか、ひとりで歩けます?

裏切られた感情がむくむく大きな痛みにとって変わり、爆弾低気圧のように雪子さんをなぎ倒した。

……なにいってんの。あたりまえじゃない。バカにしないでよっ。いままで、どんだけ、ひとりっきりで歩いてきたと思ってんのよ。はばかりながら、この雪子さまはね、三十年ぶりに帰ってきたこの街で、これからさきもずっと、たったひとりで歩いていくのよ。ふざけんじゃないわよっ。こったらクソ道路ひとつ満足に渡れないで、こったらクソ世間渡っていけますかってんだ。こうみえたって、クソまみれで生きてくことにかけちゃ、あたしゃ、すじがねいりなのよっ。

かつて味わったことのない疲労を感じた雪子さんは、オアシスを求める砂漠の旅人のように暖かいベッドを希求する。はやくホテルへたどりついてベッドに倒れ込みたい。そして心ゆくまで深い眠りのなかに沈みたい。しかしそれにはまだ越えねばならぬハードルがある。いまのチビ男とのアクシデントなんぞ即刻忘れてしまえ。

……あと、もう少し。あともう少しで渡りきれるわ。でも慌てちゃだめよ、雪子。いままでのペースをくずさず、ゆっくり、ゆっくり歩くのよ。ヒザから下は垂直に地面へ降ろし、身体の重心はやや前方へかけて。そう、基本に忠実に。なにごとも基本を守らなきゃ、だめ。そろり、そろり。小さな歩幅でゆっくりと。あともう数メートルというところだろうか。懐かしいホテル前の歩道はすぐそこに見える。

……あっ。

信号機が点滅しはじめた。もうすぐ赤になるのね。

でも焦っちゃだめ雪子。このペースならだいじょうぶ。青のあいだに渡りきれる。じゅうぶん余裕あるわ。なにごとも焦るのがいちばんまずいのよ。途中まで頑張っても最後に焦っちゃうから、すべて台無しになるの。急がば回れ。終わり良ければすべて良し。人生航路の鉄則ね。あっ。ごらん雪子。右ななめ前方にてらてら光っていない地点、発見。アスファルトむきだし。凍っていないのよ。おお、うるわしの緑野。しかもあの位置だとひと足で歩道へ跳び移れそう。おお、わがこころのロードヒーティング。かろやかに舞い踊れる甘美なる大地よ。

A地点から目標B地点までは、あともう二歩ってとこね。

そろり、一歩。そしてそろーり、もう一歩。

……やったあぁぁっ。

それは車道と歩道の境目あたりで、ツルツル輝く道路を見慣れた眼には乾燥した黒い路面にみえる。しかし右足を踏み込んだ瞬間、雪子さんは自分の過ちに気づいた。古タイヤが不快に軋み、脳裏にこだました……あっれが、いっちばん危ないの。そ、そそそそそ、ブラックアイスバーン。

のんびりしたクラクションのフーガが鳴り響いている。

2021年4月18日公開 (初出 『さっぽろ市民文芸』第34号(2017年)を改稿)

© 2021 飽田 彬

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