大阪府・高槻市立しろあと歴史館で3月9日~6月2日まで、企画展「初公開!収蔵品展-文芸・武芸・工芸-」が開催。

 同館では、市民や寺社などから寄贈・寄託を受けた文化財を10万点以上収蔵しており、これらを活用した特別展や企画展を定期的に開催している。

 今回の企画展は、「文芸・武芸・工芸」と3つのテーマで選んだ、初公開となる収蔵品約150点を紹介する。「文芸」では、幕末の高槻藩士で、漢詩人として著名な藤井竹外や彼と交友のあった文化人の作品を、「武芸」では高槻藩士家や村の有力な家に伝わった武芸に関する古文書と「黒漆横矧桶側二枚胴具足」をはじめとした甲冑や火縄銃などの武具、「工芸」では屏風や襖絵、漆器の器、古曽部焼などの美術工芸品など紹介。

 中でも注目の展示品は、藤井竹外が自作の漢詩を自ら書にしたためた掛け軸。竹外の格調高い漢詩は、現在も詩吟などで根強い人気を誇り、今回展示している「巌桂がんけい(木犀の異名)」と題する作品は、庭に植えた木犀の様子と香りを詠ったもので、通常よりも大振りに書かれていて迫力がある。

 観覧料は無料。この機会に漢詩の魅力を堪能してみてはいかがだろうか。